お奨めの本

プラトンは、「奴隷」を他人の目的を実行させられている人と定義した。自分自身の盲目的な欲望のとりこになることもまた、奴隷になることである。伝統的教育では、学業における目標形成過程に生徒が積極的に協力できない。進歩主義的学校においても学習者の活動を導くような目的を形成する際に、学習者が参加することの重要性が強調されて良い。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●目的とは何か、目的はどのように生じたのか、目的は経験の中でどのよ…

社会的統制の他の側面として「自由の本性」の問題がある。永遠に重要な唯一の自由、すなわち知性の自由とは、価値のある目的のために観察や判断がなされる自由であり、自由を「自由を運動する自由」「外的な身体的な活動の自由」を同一視することは誤解を生む。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●この種の自由は(制限から解放される自由)、力(目的を形成する力、…

ところで経験を構成する2つの原理がある。①相互作用の原理②連続性の原理である。経験の価値を測る上記2つの原理はあまりにも密接に結びついているので、「個人の自由と社会的統制」という問題から議論を始めたい。教育から視野を外す時、普通の善良な市民は事実上社会的統制によく服従している。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●そして統制のかなりの部分が、個人的自由の制限を含んでいる事に気付…

また経験は、個人の内側だけで進行するものではない。そして真の経験はその経験がなされる客観的条件をある程度変化させる積極的側面を持つ。またどのような環境が成長を導くような経験をする上で役立つかについて認識が必要となる。教育者は価値ある経験の形成に寄与する環境をどのように利用すべきであるのかを知る必要がある。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●このように教育される個人に内在する主観的条件に、客観的条件をかな…

教育が経験を基礎にして知的に導かれ処理されるには、経験の理論を形成する必要がある。そして連続性の原理は、教育的に価値ある経験とそうでない経験との間を識別する試みと関わりだ。こうした進歩主義運動は、アメリカ国民が委ねる民主主義の理念に調和しているように見える。一方伝統的教育には、専制的で過酷な状況がある。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●つまり進歩主義に好意がよせられる究極の理由は、「人間的な方法に対…

あらゆる不確実性の中にある1つの永遠の準拠枠として、教育と個人的経験の間にみられる有機的関連がある。つまり真実の教育はすべて、経験をとおして生じるという信念である。しかし、すべての経験が本当に教育的なもので、同等であるということではない。教育的でない経験もいくらでもある

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●例えばさらなる成長をゆがめる経験、感受性を欠如させる経験、凝り固…

ラボラトリー・トレーニングは「体験からの学び」を重視します。そしてこの体験からの学びの源流にあるのが、ジョン・デューイの思想です。ここでは昔山口先生の研究生をしていた時に課題図書として読んだ「経験と教育」を再度読み直しつつ、まとめをしていこうとおもいます。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る第1章 伝統的教育対進歩主義教育●人間は極端な対立をもって物事を考え…

こうした本では「対話の奇跡」もおすすめです。

特に対話が阻害される要因の分析はとても腑に落ちる感じがします。対話の奇跡 (1970年)作者: R.L.ハウ,松本昌子出版社/メーカー: ヨルダン社発売日: 1970メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログを見る

山口先生はなくなる前に、「ラボラトリー観を磨いてください」と言い残されましたが、トレーニングを実施する者のラボラトリー観は、とても大事だと思います。

こうしたラボラトリー観を養ってくれる本はたくさんありますが思いつくまま紹介したいと思います。 まずは私たち「人間」の関係性を問うた「あいだ」です。自分とのかかわりをどうとらえるか、人とのかかわりをどうとらえるのかが、「あいだ」という重要な概…

ラボラトリー・トレーニングは、グループ・ダイナミクスを創始したクルト・レヴィンが生み出したものと言われています。ここではその生涯と業績について、彼の弟子であり、共同研究者でもあるA・J・マローの著書『クルト・レヴィン その生涯と業績』をわたしが独自に要約してものをご紹介します。

ここには ・レヴィンの場の理論 ・集団力学(グループ・ダイナミクス)の生い立ち ・産業界、工場現場でのアクション・リサーチ ・ラボラトリー・トレーニングの生い立ち 等が書かれています。 これはわたしが南山大学大学院教育ファシリテーション学科で、…

これからの時代に人が生き、成果を上げていくためのリーダーシップとして「サーバント・リーダーシップ」が注目を集めています。

そして今回、東京のサーバントリーダーシップ協会の理事をされている 渋谷達夫さんが大阪でサーバントリーダーシップの基礎講座をされるのに あわせ、「サーバント・リーダーシップ」の原典ともいうべき小冊子、 「サーバントリーダ(THE SERVANT AS LEADER)…

いま体験と学び研究会の今回のテキストとして「感情力」を読んでいます。

感情力―自分をコントロールできる人できない人作者: フランソワルロール,クリストフアンドレ,Francois Lelord,Christophe Andr´e,高野優出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2005/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (9件…

明日はチーム経営の病院の組織活性化を考える会のミーティングがあります。

病院におつとめの私たちの仲間にも入ってもらって、どうすれば「患者様のためにこうしたい!」という想いを形に変えられる組織を作れるかを考えます。 前に「学習する病院組織」という本を紹介しましたが、そこのでている浜松聖隷病院の事例から組織活性化に…

10月21日にある子ども向けの専門病院の看護師さんに、リフレクションの研修をしてきました。

いま医療機関、特に看護部門でリフレクションが大変注目されています。それは看護においては、知識ややり方などの「正解のある学び」以外に、チームや先輩・後輩、そして患者様へのかかわり方や、何を大事に仕事をしていくのかという看護観の形成など、「正…

いま、体験から学ぶプロセスに興味を持って、何人かで読書会を開き学びを進めています。

今回の課題図書はショーン(アージリスとショーンのダブルループ学習は組織論でとても有名です)の「専門家の知恵」でした。専門家の知恵―反省的実践家は行為しながら考える作者: ドナルドショーン,Donald A. Sch¨on,佐藤学,秋田喜代美出版社/メーカー: ゆみ…

いま「経験からの学習」という本を読んでいます。体験学習法を使う人には大事だと感じています。

経験からの学習-プロフェッショナルへの成長プロセス-作者: 松尾睦出版社/メーカー: 同文舘出版発売日: 2006/06/23メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (10件) を見るその中にプロフェッショナルの特徴がまとめてあったのですが、…

大地震がありましたが、いまある雑誌の依頼を受けて、非常時のリーダーシップについて考えています。

関連する本のまとめです。実はとてもチーム経営的だなと感じています。非常事態のリーダーシップ―危機を乗り切る9つの教訓作者: ジェームズ・リーウィット,ジェームズモーガン,James Lee Witt,James Morgan,小林薫,森尚子出版社/メーカー: ジャパンタイムズ…

今本を読んでいます。

Tグループを学ぶ兄弟子のところで見つけた「愛と恐れ」という本です。愛とは、怖れを手ばなすこと (サンマーク文庫 E- 45)作者: ジェラルド・G・ジャンポルスキー,本田健出版社/メーカー: サンマーク出版発売日: 2008/06/16メディア: 文庫購入: 9人 クリック…

いまフォーカシングを勉強しています。

ファシリテーションで、自分の「感じ」を言葉にし、相手やグループに伝えることがグループを劇的に動かすことが多くあります。 この意味を探ろうと、「感じ=フェルトセンス」を少し体系的に追及しているフォーカシングを学んでいるのです。 フォーカシング…

先日「自己評価の心理学」という本を読みました。その中でチームに自分が受け入れられている実感が、いかに自己評価に重要かを再認識しました。

自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか作者: クリストフアンドレ,フランソワルロール,Christophe Andr´e,Fran〓@7AB7@cois Lelord,高野優出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2000/09/01メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 662回この商品…

最近フォーカシングの本を読み、自分でも実践しています。

これは言葉になる前に体が感じている「フェルト・センス」に焦点をあて(フォーカシング)その声を聞いて、よりよい自分の選択をしたり、より良い関係を結んだりするものです。もともとは心理療法の分野で発展しました。自分の本当に感じている感じを伝える…

いま、山口先生の勧めで、ロジャースのエンカウンターグループをまとめています。

グループの成長段階などとても興味深い内容です。ちょっとまとめの部分をご紹介しましょう。 エンカウンター・グループ―人間信頼の原点を求めて作者: カール・R.ロジャーズ,Carl R. Rogers,畠瀬稔,畠瀬直子出版社/メーカー: 創元社発売日: 2007/02メディア: …

いまシャインの「人を助けるとはどういうことか」をまとめています。

特に学んだのは・支援関係とは対等なものではない ということです。 つまりクライアントが支援者に依存するという暗黙の了解と、クライアントと支援者のそれぞれが当然相手に期待しているものの曖昧さから両者に不安と緊張が発生するのです。 考えてみれば互…

いま「プロセスコンサルティング」を書いたエド・シャインの「人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則」を読んでいます。

シャインはアメリカのTグループで長く学んだ人で、彼の考えは私たちチーム経営の実践の基盤となっています。ここでも本当にクライアントが自分たち自身で課題を解決していくには、どのように「支援」していけばよいのかが書かれています。本当に学びになり…

今グリーンリーフの「サーバント・リーダーシップ」を読んでいます。本当にふるさとに帰ったようなやすらぎを覚えます。

サーバントリーダーシップ作者: ロバート・K・グリーンリーフ,ラリー・C・スピアーズ,金井壽宏,金井真弓出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2008/12/24メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (22件) を見る 例えば、「7つの習慣」の…

キャリア理論の大御所、エドガー・シャインの考え方にキャリアアンカーという考え方がある。キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival)作者: エドガー・H.シャイン,Edgar H. Schein,金井寿宏出版社/メーカー: 白桃書房発売日: 2003/06/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 75回この商品を含むブログ (21件) を見る

この考え方は変化する自分のキャリアの中で、変わらない「自分が本当に大事にするもの」を明確化した時に初めてよりよいキャリア形成ができるという考え方だ。 こうした考え方は組織にも言えると思う。激動する経営環境の中で、リーダーはつい変化の波にのま…

ダイアローグを書いたボームが「全体性と内蔵秩序」という本を書いています。

彼によると原子論的世界観では私たちは原子のように別々の存在ですが、量子論的には私たちはあたかも水に生まれた「渦」(運動によって生まれている場)としてとらえるほうが正確だそうです。 こう考えると対話ということもずいぶん違って見えてきます全体性…

いま、「ダイアローグ」を読んでいます。

自分の思考を自分ととらえてしまう。これが対話を妨げるというボームの主張は、仏教における「息を見つめる瞑想」やサイコシンセシスの本来の自分を、身体・感情・知性から脱同一化するという考え方に通じ、とても興味深いものです。 私たちの思考を自分から…

いまサーバントリーダーシップを読んでいます。

サーバントリーダーシップ作者: ロバート・K・グリーンリーフ,ラリー・C・スピアーズ,金井壽宏,金井真弓出版社/メーカー: 英治出版発売日: 2008/12/24メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (22件) を見る 前から金井先生などがださ…

知恵とチカラをあわせる場をつくるためには、場の暗黙の規範を読み解くことが大事です。

「感受性訓練」の本の中で、ギブが規範を見る視点を教えていました。分かち合いたいと思います。<グループの関心事となるような中心的規範領域から選択したもの>・冒険(リスク) グループは、冒険の制約、恐怖の取り扱い方、どのレベルで冒険をテストする…