2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしは昔、銀行員として7年半働いたことがある。大学生の時どうしても希望の職を見いだすことができず、消去法で選んだ職場であった。その頃は、親元からはなれ自立することが大事に思えたので、とにかく安定的な収入が得られる会社に入ったのである。

●しかし銀行にいるということは、わたしにとって苦しいことであった。単調な仕事に意味を感じにくいこともあったし、上意下達で堅苦しい風土にあわなかったこともある。ただ、わたしが最もしんどかったのは「生きるってこんなものさ」というあきらめが、周り…

わたしがラボラトリー・トレーニングを学んだ人に、故山口真人さんがいる。彼はトレーニングを行うトレーナーにとって一番大事なことは、「グループとメンバーを信じること」と言っていたが、そのことを実感したのは山口先生と一緒にグループに入った時のことだった。

●グループ体験を後から客観的にふりかえると、徐々に信頼関係が生み出され、成長していったことを俯瞰できる。しかしグループの中にいる時は、一つの壁を乗り越えたと思えばまた次の大きな壁に直面するという連続で、どうしてよいかわからず戸惑うことも多い…

私たちにとって最も根深い「疑い」の1つに、あるがままの自分が相手やグループに受け入れられないのではないかということがある。つまりいま自分が感じたこと、想ったことをありのままに伝えると、相手に拒絶されてしまうのではないかという「疑い」である。

●特に私たちは、本当に心から言いたいことほど口に出しにくい。それがとても大切なことだから、受け入れてもらえないと深く傷つくからである。こうした時私たちは伝えるのを諦め、言いたいことをぼかし、当たり障りのない言葉にして伝え、拒絶されることを防…

私たちは誰でも自分なりのかかわり方や物事のとらえ方、行動・反応の仕方などの特徴やクセを持っている。そしてそれはひとり一人違う。この違いは私たちの持ち味にもなるが、同時に私たちの間の相互理解を難しくし、時には分裂を引き起こす要因になる。

●自分のことを考えても、考え方やとらえ方があまりに異なる人とかかわりあうのは難しいと感じることが多い。例えば自分ではいい仕事ができたつもりでも、他の人がそんな風に思ってくれない時、がっかりした気持ちや怒りが湧いてくる。「価値観が違う」とその…

●「ゆるす」ということは、私たちの生きるあり方に大きな影響を与えている。例えば「自分で自分をゆるせない」場合、私たちは自分を肯定したり、価値あるものと感じたりすることができなくなってしまう。その結果、自分らしくあるがままに生きることが難しくなる。

●わたしも学校を卒業し7年半勤めた銀行を辞めて家にいた時、周りの人(世間の人?)の目が怖くて昼間に外出を控えたことがあった。実際には誰も気にしていないのに、自分自身で「昼間から休んでいること」に罪悪感を覚えていたのである。●私たちは生きてい…

わたしはここ数年沖縄の修道院で行われる4泊5日のラボラトリー・トレーニングにかかわっている。そしてこうした経験を重ねる中で、最近わたしはある祈りを大切だと感じるようになった。それは鳥に説教したことで有名なアッシジの聖フランチェスコの「平和の祈り」である。

●この祈りはとても美しい詩でもあるので、まず渡辺和子の訳で紹介したい。 主よ、わたしをあなたの平和の道具にしてください。 憎しみのあるところに愛をもたらす人にしてください。 争いのあるところにゆるしを 分裂のあるところに一致を 疑いのあるところ…

いまわたしは、「いまここに、共に生きる」ことを大切にするまほろばプロジェクトを本格的にスタートしようとしている。

http://www.maholo-ba.jp/ そしてこのプロジェクトをこれから実践していく中で、どうしても「何のために」このプロジェクトを行うのかを、言葉にしておく必要を感じた。 こうした時、先週たまたま家族で旅行をすることになり、日頃の忙しさから逃れることが…

最近、いろいろな組織で、「想いのこもったねらい(目標)づくり」を支援しています。

組織の中で、自分を大切にし、しかも組織も大切にするには、自分の想いと組織の想いを合わせていく必要があります。そのためには組織やリーダーの想いをしっかりと理解するとともに、自分がなぜこの組織で働くかの想いを明確化する必要があります。 また組織…

こうした本では「対話の奇跡」もおすすめです。

特に対話が阻害される要因の分析はとても腑に落ちる感じがします。対話の奇跡 (1970年)作者: R.L.ハウ,松本昌子出版社/メーカー: ヨルダン社発売日: 1970メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログを見る

山口先生はなくなる前に、「ラボラトリー観を磨いてください」と言い残されましたが、トレーニングを実施する者のラボラトリー観は、とても大事だと思います。

こうしたラボラトリー観を養ってくれる本はたくさんありますが思いつくまま紹介したいと思います。 まずは私たち「人間」の関係性を問うた「あいだ」です。自分とのかかわりをどうとらえるか、人とのかかわりをどうとらえるのかが、「あいだ」という重要な概…

最近、地域や職場、家庭や学校などで、「人とのかかわり」が希薄になってきたと言われます。隣近所の方の顔をしらない、職場で隣の人にメールを送る、家族の会話がない、学校で子どもを叱らないなど、「人とのかかわりの薄さ」を感じることが多くなってきています。

そして「人とのかかわり」が希薄になると私たちは、幸せでいることが難しくなります。家庭や地域でかかわりがないと寂しいですし、職場でかかわりがないと自分が機械になったように感じます。学校でかかわってくれないことはいじめです。人として成長するこ…

平和の祈りとラボラトリー2 絶望のあるところに希望を

「絶望のあるところに希望を」●わたしは昔、銀行員として7年半働いたことがある。大学生の時どうしても希望の職を見いだすことができず、消去法で選んだ職場であった。その頃は、親元からはなれ自立することが大事に思えたので、とにかく安定的収入を得られ…