大地震がありましたが、いまある雑誌の依頼を受けて、非常時のリーダーシップについて考えています。

 関連する本のまとめです。実はとてもチーム経営的だなと感じています。

非常事態のリーダーシップ―危機を乗り切る9つの教訓

非常事態のリーダーシップ―危機を乗り切る9つの教訓

より

1、あなたのルーツを見つける
・危機対策のノウハウは、何が大事かを知ることから始まる
@危機管理の原点=自分にとって本当に価値あるものは何なのかがわかって、危機に備える重要な一歩を踏み出せる
@多くの過ち=何もかもを一度に正常な状態に戻そうとする=全ての問題を一度に処理しようとすること

・プレッシャーが重くのしかかる中、熟慮する時間も調査する時間もない中で、いくつもの決定を瞬時に下す必要
@何が大切で価値あるものかさえ分かっていれば、本当に失われたものは何かを突き止め、それに対処する決定を下すことができる

・絶対に犠牲にできないものは何?=具体的に即答できる必要
@医療現場=トリアージュ(傷病者の優先順位付け)=どの患者を優先するか治療のプライオリティを瞬時に決定
@これはチームで行われる=チームのメンバー全員がプライオリティの決定方法を理解していること

・大惨事の中では、私たちがどのようなコアとなる価値観と信念を持っているか、私たちが何ものであるかがさらけ出される
クレド(理念)を吟味する
@使命記述書を作成し、行動の柱とする。=それが具体的な自分たちの行動にどういう意味があるかを考える
@チームでなぜその決定をしたのかを常に吟味する(ノウ・ホワイ)クセをつける

2、ハリケーンマーケティングする
・事態が悪い時、気づかないふりをしないで、皆に危機準備態勢を取らせる
@最悪の事態の危機防止計画を立てる
@1人に集中しない=自分の危機対応の限界の見極めをチームのメンバーがそれぞれイメージする

・正直なコミュニケーション=危機管理の生命線
?自分自身とコミュニケーションをとる=自分をごまかさず、落ち度をはっきり認める、問題に直面する(何が問題であるかを明確化する)
→オープンで失敗を快く許し合う文化の重要性
?自分を助けてくれる人とコミュニケーションをとる
@何が必要かをオープンにする
例 原発に放水する特殊な「ナマコン挿入機」
トップダウンボトムアップでスケジュールに則りコミュニケーションをとる
@最新の情報を定期的に提示(文書ルールなどを廃止)

・部下に報告させるもの
@彼らの考える優先順位
@必要とする手元にない資源
@いま危機発生から危機解決までのどの段階にあるのか
@これまでにどう言う障害にぶつかったのか、今後ぶつかりそうか

・危機対応に巻き込まれた部下から非公式に迅速に情報を手に入れる
@情報コーディネーターを決める
@相互に情報を交換する方法を決める
@危機対策の変更をチーム員に知らせる方法

・早期警戒警報=何を危機の前兆とみなすか

3、川は流れたいところへ流れるだけ
・危機の起るパターンを精査する
・危機を避ける責任を負う=危機の測定によるデータ化
・問題回避の予防策=繰り返しでてくる危機の予測が必要
・今回避すべきことと、将来回避すべきこと

4、3匹の子豚のもう1つの読み方
・予見のできる危機と予見のできない危機
@予見できるもの=危機の特性を徹底的に理解し、存在するパターンを見出す

5、糸もヨリをかければ強くなる
・災害(危機)を1人で負う必要はない=1人で何もかも片付けようとしてはいけない
@家族、社員、部下、他の誰かがいるからこそ、自分自身の危機も乗り越えられる
@重荷ではなく絆をえる

・日ごろの関係を築く
@目の前のやるべきことに埋没=周囲の人を遮断するやり方で日々の仕事をし、プレッシャーに耐えるやり方
@もっと大きな視野を持ち、相手にこちらから働きかけて心を通わす

6、冷静さを失わず、人の心によりそう
・災害と戦う人=家族を見捨てて頑張っている人も=肉体と精神の両方で犠牲
@部下や職員がどういう様子でいるか、どう言う反応をしているかをよく観察すること

・プライオリティやコントロールの及ばない事柄に時間とエネルギーを使わない
@計画に則り、そしてコントロールできない事項をチェックする

・できない約束はしない=希望的観測はおいておく

・周囲の共感を得る
@自分にできること、できないことの選別が終わる=理性と感情の両面で自分がこれから何をしようとしているかを伝える
@期待や希望に行動が伴うようにする

・非難合戦、失敗かくしの起りにくい雰囲気作り
@それぞれが非難しあい、失敗を隠せば危機への対応がおろそかになる

7、セクショナリズムは壊そう
・緊急対応チーム=個々の事例に対応できる危機管理スタッフで
@水平的に機能するチームを作る、メンバーも入れ替える=平時にさまざまな業務を経験させる、定期的に持ち場を入れ替え、人間関係を作っておく
@明確で具体的目標をチームに与えること。危機状態を抑え込むまでチームを監視する
@危機で能力を発揮するタイプとそうでないタイプを見わける
@チームの活動がこう着=新しいメンバー、達成基準を設ける

・チームの必要を満たすマネージャー
=メンバーに危機に打ち勝つ道具を与える
@綿密な計画
@衝突するエゴをおさえる
@コミュニケーション系統の見直し
@部下のコーチ
@士気を奮い立たせる
@資金や資源を調達する
@共通の危機計画に従う必要性の認識