お奨めの本

今エリクソンの「老年期」を読んでいます。

老年期―生き生きしたかかわりあい作者: エリク・H.エリクソン,ヘレン・Q.キヴニック,ジョーン・M.エリクソン,Erik H. Erikson,Helen Q. Kivnick,Joan M. Erikson,朝長正徳,朝長梨枝子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1997/01/15メディア: 単行本 クリッ…

いまエリクソンの青年ルターを読んでいます。

青年ルター〈1〉作者: E.H.エリクソン,Erik H. Erikson,西平直出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るエリクソンの考え方の重要なものの1つに、個人がその深い内面的葛藤を克服するための闘いが、そ…

いま岸本英夫さんの『死を見つめる心』を読んでいます。

死を見つめる心 (講談社文庫)作者: 岸本英夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1973/03/15メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ (5件) を見るこれは随分前の本ですが、宗教学者だった岸本さんがガンにかかり10年間の闘病の中で、死と向…

いまピアジェの『知能の心理学』を読んでいます。

これは人間の成長を取り扱うラボラトリーにおいても基本図書の一つだと感じます。知能の心理学作者: ジャンピアジェ,Jean Piaget,波多野完治,滝沢武久出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1998/10メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (2件) …

いまエリック・エリクソンの『ガンディーの真理』を読んでいます。

ガンディーの真理〈1〉―戦闘的非暴力の起源作者: E.H.エリクソン,Erik H. Erikson,星野美賀子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログを見るエリクソンと言えば「アイデンティティ」の概念が有名です…

いまボルノウの「人間学的にみた教育学」を読んでいます。

この中で彼は実存主義哲学が教育学に与えた影響として「出会い」の概念を挙げています。これはまさに「いまここ」の瞬間に他と出会うことで自分の生の意味が根本的に変わる実存体験のことを指しています。また彼は教育が教養を知識として教えるだけでなく、…

日本の教育人間学に大きな影響を与えたとされるロートの『発達教育学』を読んでいます。この中でロートが発達を促し形成する諸力、諸過程として3つの区分をしているのが印象的でした。

第1は成熟過程で、1歳になると直立できるといった生物学的な発達過程です。しかし人生の初めの時期からその成熟過程に学習過程が関係してきます。赤ん坊がお母さんが来たら微笑むという行動を学習するのがそれにあたります。これが第2です。そしてロート…

いまエリクソンの『ライフサイクル、その完結』を読んでいます。

ライフサイクル、その完結作者: E.H.エリクソン,J.M.エリクソン,Erik H. Erikson,Joan M. Erikson,村瀬孝雄,近藤邦夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2001/03/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 115回この商品を含むブログ (5件) を見るその中でエ…

最近「絶望」と言う言葉が気になっていました。これはそのままで見れば否定的な言葉ですが本当にそうでしょうか。

エリクソンのライフサイクル論によると、最終の段階である老年期に訪れる心理・社会的危機、つまり葛藤は「統合」対「絶望」とされています。そしてこの葛藤がうまく解決されると「英知」を身につけていくとされています。ライフサイクル、その完結作者: E.H…

今日は西平直さんの本の中で「セレンディピティ」と言う言葉に出会いました。これは「思わぬものを偶然に発見する才能」「幸運を招き寄せる力」と呼ばれます。

教育人間学のために作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/04/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る確かにお金を稼ぐ、奉仕するなどの目標を達成するために、計画を立てそれを実行していく事は大切だと思…

いま西平直さんの「エリクソンの人間学」を読んでいます。

エリクソンの人間学作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1993/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの中でエリクソンのキーワードであるアイデンティティを読み直し、受け取り直す作業をされていますが、この言葉は「主観的で…

今日は「身体のゼロ地点」と言う言葉について考えています。

これは西平直さんの世阿弥の稽古哲学作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見るという本に出てくる用語で、能の稽古にまつわる観世寿夫氏の発言に即して言…

私の知人が高野山大学の「スピリチュアルケア」のコースで学んでおられるのを聞いて、興味を持ち、シラバスを手に入れました。そしてその中で興味を引きそうな本を読んでいます。

その1冊に仏教心理学キーワード事典作者: 井上ウィマラ,加藤博己,葛西賢太出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2012/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見るがありますが、そこで書かれている仏教の基本的用語の概念が、ラボラトリーで…

今日は「経験の貧困化」という言葉に出会いました。

ラボラトリー、特にTグループを中心とするものでは、一回一回のグループ体験はそれぞれ全く異なります。そこでの経験は、一回きりで固有のもので、言葉にすることが難しいものをたくさん含んでいます。なのでその経験を他の人に語ろうとしてもうまく言葉にで…

立命館大学の蔦野さんという方が「生きることのかなしみ」という力という論文を書いておられます。

以前から私はラボラトリートレーニングをする中で、トレーナーやファシリテーターが自分の有限性に気づき、何もできないと言う形で自分の力に絶望することが必要なように感じていました。その中でこそ、何か大いなる力に目覚めることにつながり、余計なこと…

今教育関係の本を読んでいます。いま面白いなと思うのは西平直さんの「魂のライフサイクル」です。

単純に生きている間のライフサイクルを論じるのではなく、ユング、ウィルパー、シュタイナーという3人の大家を取り上げその理論を詳細に整理し、死後も含めたより広い観点から「成長」とライフサイクルを論じておられます。ともすれば怪しくなりがちな話で…

いま教育関係の本を読んでいます。

最近印象深く感じているのが、教育人間学の考え方です。西田哲学の流れを汲んだ教育学者の考えを見ているのですが、その一節にこういうくだりがあります。臨床的人間形成論の構築―臨床的人間形成論〈第2部〉作者: 田中毎実出版社/メーカー: 東信堂発売日: 20…

ようやくウィリアム・ジェームスの「宗教的経験の諸相」を読み終わりました。

宗教的経験の諸相 上 (岩波文庫 青 640-2)作者: W.ジェイムズ,桝田啓三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1969/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (21件) を見る この本はその名の通り本当にいろいろな人々の宗教的経験を…

「一万年の旅路」という本を思いだしている。

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史作者: ポーラアンダーウッド,Paula Underwood,星川淳出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 1998/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 30回この商品を含むブログ (30件) を見る これはネイティ…

いまある企業さんのリーダー研修として、稲盛和夫さんの「働き方」の輪読会をしています。

働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」作者: 稲盛和夫出版社/メーカー: 三笠書房発売日: 2009/04/02メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 44回この商品を含むブログ (48件) を見る 非常に実行することが難しいことがたくさんありますが、その根本に中村…

いま、ウィリアム・ジェームスの「宗教的経験の諸相」を読んでいます。

宗教的経験の諸相 上 (岩波文庫 青 640-2)作者: W.ジェイムズ,桝田啓三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1969/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (21件) を見る 私はこの本を読んで自分の考え方や信じているものが、自分…

デューイの「哲学の改造」を読んでいます。

これを読むと、私たちが無意識の内に時代が持つ哲学(考え方)に大きく影響されて人や世界をとらえること、そしてそれはその時代の社会状況(例えばギリシャ時代の奴隷制度のように社会が分断されているかどうか)が大きく反映していることがわかります。 私…

今回のラボラトリー勉強会の課題図書はパールズの「ゲシュタルト療法」です。

私自身は病の人を治療する心理療法そのものには特別な興味を抱いていませんが、健康な人にもある心理的な動きはラボラトリーで必要であると感じています。 ゲシュタルト心理学でもまた「いま、ここ」を大切にするようです。過去のトラウマを掘り起こすのでは…

いまデューイの「民主主義と教育」を読んでいます。ラボラトリーの哲学の源流の1つと考えています。

民主主義と教育〈上〉 (岩波文庫)作者: J.デューイ,John Dewey,松野安男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1975/06/16メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る 昨日も大阪府が国歌斉唱を府立学校教員がしているかをチェックすると…

ラボラトリートレーニングは、レヴィンを起源としていますが、デューイ等の影響を受けていると言われています。

そしてそのデューイは、自己信頼(いまここで自分から湧き上がってくるものへの信頼)を唱えたエマソンに影響を受けています。この辺りを詳細に解説したのが「〈内なる光〉と教育 プラグマティズムの再構築」/齋藤直子」です。[rakuten:booxstore:10612482:…

ラボラトリーでは「いま、ここ」で自分から湧き上がってくるものを大切にします。

こうした考え方の源流をたどっていくと、デューイに影響を与えたと言われるエマソンの考え方に行き着きました。特に「自己信頼」はオバマ大統領の座右の書と言われているそうです。 「いまここ」で自分の内から湧き上がってくるものを徹底的に信頼すること、…

今鈴木大拙の「禅」を読んでいます。

特に禅が言葉になる前の「動き」に焦点をあて、それを言葉という道具で「わけない」で一体として感じ、その中で生きるという考え方が、ラボラトリーでいう「いまここ」とほぼ同じ考え方なのではないかと感じました。 昔の文献を見てもラボラトリーと禅には共…

学習者個人と社会の両方の目的を達成するための教育は、経験(個人の実際の生活経験)に基礎づけられなければならないという原理こそが堅実なものとみなされる。この本では成長し拡大していく経験の可能性が展開される中で、科学的方法を大いに利用し前進する場合に必要な条件のいくつかを論じた。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●経験に内在する可能性が、知的に指導され開発されうるものとして教育…

教育者は、学習者が持つ現在の経験を利用し、そこから事実や法則を抽出させながら、科学的な理法を経験させるように徐々に導く責務がある。例えば物品とサービスの生産と分配の過程に対する科学の適用や人間が社会的に相互に支え合って生存する関係に対する科学の適用が求められる。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●教材が学習者の現在の経験の中で、科学的なものになるようにと見出さ…

伝統的教育は、教えられる生徒の経験の範囲外にある事実と真理から出発するという教育の進め方であり、その事実と真理を経験の中に取り込む方法と手段を見つけ出す教育であった。一方新教育は際立って対照的である。それはまず経験の内部に学習のための教材を見つけ出すことであり、次に経験されたものをより豊かに一段と組織化された形態へと進展させることである。

経験と教育 (講談社学術文庫)作者: ジョン・デューイ,市村尚久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/10/09メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 123回この商品を含むブログ (47件) を見る●新教育では2つの教育的条件がある。まず教授することは、学習者がすで…