知恵とチカラをあわせる場をつくるためには、場の暗黙の規範を読み解くことが大事です。

 「感受性訓練」の本の中で、ギブが規範を見る視点を教えていました。分かち合いたいと思います。

<グループの関心事となるような中心的規範領域から選択したもの>

・冒険(リスク)
グループは、冒険の制約、恐怖の取り扱い方、どのレベルで冒険をテストするか、冒険するもののほめ方、罰し方、一緒に危険にあたろうとしないものの取り扱い方に一貫した生き方を作り上げていく

・信頼(トラスト)
@グループはほぼ安定した信頼のレベルを持つ
@信頼をどのように伝えあうか、信頼の境界線から逸脱するものをどう取り扱うか
@トレーナーなり、他のメンバーの動機に対する疑念をどう検討するか
@グループ外で自分たちのグループについて話される事柄や信頼形成についてどう影響を与えるか
 などの規範を発展

・非同調性
@逸脱するメンバーの取り扱い方
@同調、非同調とそれに対する賞や罰の伝え方の方法

・メンバーシップ
@メンバーシップの特権、獲得の方法、程度とレベル
@自己没入の重要さ、受容、愛情、是認の表現の仕方に関する規範

・拒否
@拒否の表明の仕方
@拒否、不同意の擬装の仕方
@拒否されたものはどのようなことをするか
@どのような種類と行動が拒否を誘発するのかの一貫したパターン

・フィードバック
@データ処理の懸念と取り組みつつ、グループはフィードバックの与え方、受け方
@フィードバックの限界の決定、誰が誰にそのデータを与えるかの決定
@与えられたデータに対する満足な反応の仕方を学ぶ

・同意(コンセンサス)
@完全な同意または部分的同意とは何を意味するのか
@沈黙は賛成、反対、不決断のいずれを意味するか
@同意しますというには、当人がどの程度同意していると感じられるべきであるか
@意思決定はどのようになされるか、意思決定はどのように無視されるか
@同意はどのようにテストされるかの規範の発生

・過程(プロセス)
@どのようなプロセスに注意を払うべきであるか、どのようなプロセスを見つめればよいか
@プロセスは行動にどのように統合されるか
@どの位の回数プロセスを見つめるべきか
@いかなる状況下で、誰が過程介入をしてもよいのかの規範の発展

・診断
@診断はどのように行動に統合されるか
@どの程度、お説教や評価が許されるべきか
@どの位の回数、どのような条件下で診断がなされるべきか
@診断者に対して是認、反対をどういう風に与えるかのくせ

・感情認知
@感情がデータとして認められるべきか
@どの位の頻度で、誰が感情や認知を表明してよいのか
@どのような感情や認知が言葉のやり取りとして許され、どのようなものが言葉としてあわわされないデータとしての容認されるか
@こうしたデータはどのような意思決定をするのにどれほど重要なのかの強力な基準

・目標決定 目標形成の解消に努力=以下の規範を形成
@目標はいかにして形成されるか、目標は今後の活動にどのようなかかわりを持つか
@目標の多様性と不一致性についてはどのようにすればよいか
@運動を創造的ならしめるには、目標がどれほどはっきり明示されなければならないか

・賞罰
@どのような方法で与えられるべきか、どのような賞罰が適切か
@誰がどのような承認、否決をなしえるか
@メンバーはそれぞれに違った取り扱い方に対して、どのように反応すべきか

・学習、成長 Tグループでは特に重要
@我々はどのようにして学ぶのか、成長の証拠と見られるのはどのようなものか
@変化を始動したり、あるいはそれに反応するにあたって容認されるような仕方とは?
@学習にとって葛藤と暴露はどのような効果があるか?
@メンバーは誰からなら喜んで学ぼうとしているか
@学習しているメンバー、学習していないメンバーをどう取り扱うか

・試行的試み
@個人、グループとして実験作業はどのようにして実施されるか
@グループの意思決定はどの程度試行的または不変的であるか
@実験はどれほど正式、かつ意図的になされるべきか
@革新家をどのように罰しまたは賞賛するか
@グルプ生活のどの領域においては、試行的行動が是認されるかの一貫したパターン

・仕事
@仕事と遊びの本質は何か
@仕事はいかにして回避されまたは達成されるか
@能率の本質はどのへんに存在し、どれほど重要なものか
@どのような種類の活動が生産的もしくは非生産的として取り扱われるかの一貫した考え

・葛藤 統制懸念の解消をしようとするとき、グループは即座に葛藤に直面=以下の問題に独特な決定法
@葛藤の取り扱い方=どのような葛藤をどのように作り上げるか
@葛藤を仕事と創造性のなかにどのように生かしていくか
@それをいかに回避し抑圧していくか
@メンバーは葛藤に対しそれぞれ違った反応を持つが、それらをどのようにしていくか

・許容性
@どういう種類の態度なり、行動なりに対して、許可ないし是認をいかに与えまたは拒否するか
@現在の境界に対する可変的な諸反応をどのように取り扱うか
@存在する許容性をどのような方法で伝達するか
@そこに生起する自由をどのように許容しどのようにそれについていくか

・境界 グループは多種多様な境界を作る=諸規範を発生
@境界はどのようにしてできるのか、いかにして違反がなされるのか
@境界はどれほど浸透しうるのか、どのようにして変えられるのか
@どのようにテストするのか
@どのような条件下で、誰が境界を犯すことを許されるのか

・資源 グループ内の人的資源の活用に関する規範
@資料提供者としての行動をするのがゆるされるのは誰か?何についてか?
@専門家はどのようにして無視され、活用されるのか
@どのような人が、どの位の情報を、どのような頻度で与えることができるか
@どのような種類の資料情報が、特殊的、専門的とみなされるのか

・組織 行動するための組織づくりの方法
@誰がどのようなリーダーシップの役割をとる必要があるか
@どのような組織が許容されるか
@組織はいかにして変えることができるか
@どのような目的のためには、組織はどれほど恒久的または安定的でなければならないか