15日の金曜日まで、新潟の津南市の施設に合宿して、看護学校の1年生向けに2泊3日の人間関係トレーニングの授業をしてきました。

学生さんの様子をスタッフ全員で共有し、毎晩のスタッフミーティングで次の日のプログラムを考え予定を修正していくので、準備は大変です。でもこれによって学生の内から湧いてくるエネルギーを感じて、学びをデザインすることが可能になります。やはりこの…

明日から新潟の看護学校の新入生78名に対し、2泊3日での人間関係トレーニングの授業に出かけてきます。

新しく学校に入ってまだ慣れない中ですが、学生さんたちがこれからの看護師に向けての学びに向けて、自分と人を大切にした新たな自分らしい関わり方を探り、見出していってくれるといいなと思います。どうぞ学生のためにお祈り下さい。

いま2つのラボラトリーの準備に追われています。

1つは新潟にある看護専門学校の1年生のための2泊3日の「人間関係トレーニング」で、3人の外部講師で80名の新入生のためのラボラトリーをします。もう1つは、ミニラボで京都の宇多野ユースで1泊2日のラボラトリーをします。これには5人のスタッフ…

いまピアジェの『知能の心理学』を読んでいます。

これは人間の成長を取り扱うラボラトリーにおいても基本図書の一つだと感じます。知能の心理学作者: ジャンピアジェ,Jean Piaget,波多野完治,滝沢武久出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1998/10メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (2件) …

いまエリック・エリクソンの『ガンディーの真理』を読んでいます。

ガンディーの真理〈1〉―戦闘的非暴力の起源作者: E.H.エリクソン,Erik H. Erikson,星野美賀子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログを見るエリクソンと言えば「アイデンティティ」の概念が有名です…

Tグループを中心としたラボラトリートレーニングはよく研究が少ないと言われています。

確かに論文を検索してみると、60年代の草創期から10数年間にまとまって生み出された後、十分な数の論文がありません。論文の数が多いのはちょうどTグループの流行期にあたり、この研究で研究者になれた時期にあたります。論文の数が少ないのはこれだけが…

8月にリフレクション能力・支援者養成講座を開きます。

どうぞご参加下さい<以下、講座案内>人を育てる上でいま注目を集めているのが、気になる体験、失敗体験または喜びを感じた体験などを「内省(ふりかえり)」し、自ら学び成長していく「リフレクション」です。 ある調査によると、職場でこのリフレクション…

昨日は、ある市立病院で行っている「ファシリテーター型リーダー養成研修」の6回目でした。

これは1年かけて10人のリーダー候補の方とともに学ぶ、とても贅沢な学び場です。昨日は3年後の私をイメージするという回で、ゆっくりと仲間と対話しながら自分が3年後にどうなっていたいかと考えていきました。私も病院のスタッフと一緒に実習に参加し…

いまボルノウの「人間学的にみた教育学」を読んでいます。

この中で彼は実存主義哲学が教育学に与えた影響として「出会い」の概念を挙げています。これはまさに「いまここ」の瞬間に他と出会うことで自分の生の意味が根本的に変わる実存体験のことを指しています。また彼は教育が教養を知識として教えるだけでなく、…

昨日は日曜クラブの4月定例会で、「10年後の私を見つめてみる」という実習に取り組みました。

私自身が学んだこと、気づいたこととして・参加者の中に、自分がなぜこの生を受けたのかという意味を問う人が複数いて、こうした問いを持って生きている人が結構おられるのだなと感じたこと・自分自身は10年後に向けて、よりシンプルに、「いまここ」のか…

日本の教育人間学に大きな影響を与えたとされるロートの『発達教育学』を読んでいます。この中でロートが発達を促し形成する諸力、諸過程として3つの区分をしているのが印象的でした。

第1は成熟過程で、1歳になると直立できるといった生物学的な発達過程です。しかし人生の初めの時期からその成熟過程に学習過程が関係してきます。赤ん坊がお母さんが来たら微笑むという行動を学習するのがそれにあたります。これが第2です。そしてロート…

人が自分らしく成長していくことにおいて、「自分が自分をみる」感覚がとても重要だと感じています。

でもこの感覚をうまく言葉にできない感じがしていたのです。例えばよく第3の目、つまり自分の視点で見る(第1の目)、他者の視点で見る(第2の目)、自他の関係を見る(第3の目)と言われますが、この説明ではその感覚をつかみきれない感じがしていまし…

今日は昼から、4月5日からスタートする日曜クラブの準備をしていました。

今回は10年後の自分をイメージしていきますが、その背後には自分で自分をどのように見ているか、例えば批判的にみている、評価的にみている、さらにはありのままを慈しんでみているなどの特徴が隠れています。これに気づくことは、よりよい将来へ歩みを進…

いまエリクソンの『ライフサイクル、その完結』を読んでいます。

ライフサイクル、その完結作者: E.H.エリクソン,J.M.エリクソン,Erik H. Erikson,Joan M. Erikson,村瀬孝雄,近藤邦夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2001/03/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 115回この商品を含むブログ (5件) を見るその中でエ…

ある経営者の講演を聴く機会がありました。自分と人を大切にするかかわりづくりのヒントになりそうなので考えてみたいと思います。

私が理解できた範囲でこの方のお話は次のような内容が含まれていました。1、他者から見られて恥ずかしくないようにすること ・服装などお金を惜しんで恥をかかないようにせよ ・契約書を結ぶ時に100円のボールペンを使わない ・和室で会食する時などの作…

最近「絶望」と言う言葉が気になっていました。これはそのままで見れば否定的な言葉ですが本当にそうでしょうか。

エリクソンのライフサイクル論によると、最終の段階である老年期に訪れる心理・社会的危機、つまり葛藤は「統合」対「絶望」とされています。そしてこの葛藤がうまく解決されると「英知」を身につけていくとされています。ライフサイクル、その完結作者: E.H…

今日は西平直さんの本の中で「セレンディピティ」と言う言葉に出会いました。これは「思わぬものを偶然に発見する才能」「幸運を招き寄せる力」と呼ばれます。

教育人間学のために作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2005/04/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る確かにお金を稼ぐ、奉仕するなどの目標を達成するために、計画を立てそれを実行していく事は大切だと思…

いま西平直さんの「エリクソンの人間学」を読んでいます。

エリクソンの人間学作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1993/06/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの中でエリクソンのキーワードであるアイデンティティを読み直し、受け取り直す作業をされていますが、この言葉は「主観的で…

今日は「身体のゼロ地点」と言う言葉について考えています。

これは西平直さんの世阿弥の稽古哲学作者: 西平直出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見るという本に出てくる用語で、能の稽古にまつわる観世寿夫氏の発言に即して言…

私の知人が高野山大学の「スピリチュアルケア」のコースで学んでおられるのを聞いて、興味を持ち、シラバスを手に入れました。そしてその中で興味を引きそうな本を読んでいます。

その1冊に仏教心理学キーワード事典作者: 井上ウィマラ,加藤博己,葛西賢太出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2012/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見るがありますが、そこで書かれている仏教の基本的用語の概念が、ラボラトリーで…

今日は「経験の貧困化」という言葉に出会いました。

ラボラトリー、特にTグループを中心とするものでは、一回一回のグループ体験はそれぞれ全く異なります。そこでの経験は、一回きりで固有のもので、言葉にすることが難しいものをたくさん含んでいます。なのでその経験を他の人に語ろうとしてもうまく言葉にで…

今日はちょっと広報させてください。

<以下広報文>「10年後の私」、一体どうなっているのでしょうか?仕事や家庭、人間関係などの面で、多くの人が何らかの新しいステージに入っていることでしょう。そしてこの新しいステージで、自分らしく生きていくためには、ただ年月に流されるばかりで…

立命館大学の蔦野さんという方が「生きることのかなしみ」という力という論文を書いておられます。

以前から私はラボラトリートレーニングをする中で、トレーナーやファシリテーターが自分の有限性に気づき、何もできないと言う形で自分の力に絶望することが必要なように感じていました。その中でこそ、何か大いなる力に目覚めることにつながり、余計なこと…

長岡の看護学校で先生たちと話していたのですが、いま看護教育の現場では、試験に受かるための「標準に無理にでも近づけるかかわり」と「その人らしい自由な成長を促すかかわり」の間で葛藤が起きているそうです。

試験に受かるためにある一定の標準に達する必要があることは明らかですが、しかし標準に達するための指導ばかりが行われるとその人らしく成長していく機会を奪うこともでてきます。私は先生には、両方の視点が求められると思います。前者を自明と考える先生…

先週は、新潟県長岡市に出張して、ある看護専門学校で2日間の「人間関係トレーニング?」の授業をしてきました。

これは看護師の国家試験の終わった直後に行われるもので、あとは卒業式しかないという本当に最後の授業です。3年間の学校生活をふりかえり、またこれからの人生や10年先を見通して、新たな一歩を探りながら、「マイブック」という自分だけの本を作るとい…

昨日はさまざまな国の機関の評価者(課長級)を集めた部下の育成にかかわる研修でした。

こうした方々もやはり部下の育成や部下とのかかわりには頭を悩ませておられるようで、午前中は互いにヒントを与えあうグループワーク、昼からはリフレクションの支援のロールプレイを行いました。平均52歳くらいの方々なのですが、最初は堅く、いかにも管…

今教育関係の本を読んでいます。いま面白いなと思うのは西平直さんの「魂のライフサイクル」です。

単純に生きている間のライフサイクルを論じるのではなく、ユング、ウィルパー、シュタイナーという3人の大家を取り上げその理論を詳細に整理し、死後も含めたより広い観点から「成長」とライフサイクルを論じておられます。ともすれば怪しくなりがちな話で…

昨日は産業創造館の組織づくりリーダークラブ第2期の打ち合わせをしていました。

これは産業創造館の「強い組織づくプロジェクト」に参加した企業や組織が、自主的に学びを進めるのを産業創造館が講師代など出してサポートしてくれる仕組みです。昨年度は第1期で、3つの組織のリーダーが人を大切にする会議運営のファシリテーターとして…

いま教育関係の本を読んでいます。

最近印象深く感じているのが、教育人間学の考え方です。西田哲学の流れを汲んだ教育学者の考えを見ているのですが、その一節にこういうくだりがあります。臨床的人間形成論の構築―臨床的人間形成論〈第2部〉作者: 田中毎実出版社/メーカー: 東信堂発売日: 20…

先日、第3回目となるミニラボの打ち合わせをしました。

まず毎年沖縄で一週間行うラボラトリーのスタッフと久しぶりに会い、近況などを話し合いました。その話で印象的だったのは、ラボラトリーの哲学である「体験から自分と人を大切にしていくことを学んでいく」というのは、必ずしもエスタブリッシュされた組織…