学習者個人と社会の両方の目的を達成するための教育は、経験(個人の実際の生活経験)に基礎づけられなければならないという原理こそが堅実なものとみなされる。この本では成長し拡大していく経験の可能性が展開される中で、科学的方法を大いに利用し前進する場合に必要な条件のいくつかを論じた。

経験と教育 (講談社学術文庫)

経験と教育 (講談社学術文庫)

●経験に内在する可能性が、知的に指導され開発されうるものとして教育が取り扱われる。こうした新教育は困難な道である。なぜなら経験が知的に発達しているか、知的に導かれているかを検証することに従属するよう、経験を自制させることほど難しい訓練はないからだ。

●従って支持者たちの側での長期にわたる真摯な共同作業が必要である。新教育が成功するとしたら、そこで果たさなければならない条件を示す必要がある。新教育、旧教育などは区分け不要で、教育の名に値するものは何かを問う必要がある。教育が名目やスローガンではなく、実在するものでありうるためには、いかなる条件が満たされなければならないかという問いだ。そこには健全な経験の哲学必要とされる。