昨日は久しぶりに半日の休暇がとれ、家で体を休め、本を読んでいました。

辻邦生の「背教者ユリアヌス」で、2度目です。彼が、皇帝の従弟として、ガリアの支配をまかされ、劣勢の中で、さらに反対勢力に取り巻かれながら、軍隊と住民の支持を得ていく様子は、とても感動的です。

 特に、ユリアヌスの人を大事にする揺らぎない信念と価値観、そしてそれを基に一貫して行動する姿勢が、不満と個人的欲求で動いていた士卒の心をつかみ、力をあわせて彼のために働くようになる過程は、チーム経営の教科書といってもいいくらいです。

 自由で守られた場ができると、どうしても個人的欲求がでやすくなり、場が乱れることがあります。このとき、リーダーの信念と一環した行動によって、価値観が共有され、目標に向かって一致して行動するという有効な規範が生み出されるとき、その場は本当に知恵とチカラを合わせられるものになるのだろうと思います。

背教者ユリアヌス (上) (中公文庫)

背教者ユリアヌス (上) (中公文庫)