21世紀は非営利組織の経営が営利組織の模範とすべきであるというのがドラッカーの持論です。ドラッカーの「非営利組織の成果重視のマネジメント」をまとめてみました。彼の5つの問いは重いですね。

問1、我々の使命は何か?
・リーダーの基本的責任=組織の関係者すべてが使命を知り、理解し、実践できるようにすること
例 救急室の使命=健康管理ではなく、救急患者に安心を与えること→一分以内に患者を診る
・使命=Tシャツに記せるほど、簡潔なものであるべき=「そう、わたしはこの使命のためにはたらいているのだ」と思わせる必要がある
・機会、能力、コミットメントのバランス必要
=「我々の目的は何か」「われわれはなぜいま、この事業を行うのか」「我々は最終的に何を社会に残したいのか」に応える

2、我々の顧客とはだれか
・第一顧客=私たちの活動で生活が改善する人
・支援してくれる顧客=組織の活動に参加することで満足感、達成感を味わいたと思う人
・顧客の変化、ニーズの変化を知る
・成果を達成するために、新たに開拓した方がよい顧客はいるか?もしそうなら彼らは誰か?なぜ組織は彼らにサービスを提供しなければならないのか?既存の顧客の中で、もうサービスをやめたほうがよい人々はいるか。もしそうなら彼らは誰か?なぜやめるべきなのか?

3、顧客は何を価値あるもの考えるか?
・多くの組織は自分たちの価値観については、明確に理解しているが、顧客の視点や価値観を理解していない。=憶測や仮説をやめて顧客に問いかけなさい→顧客と共にプログラムを作る
・支援してくれる顧客の動機は何か?
・顧客は誰であり、何を価値あるものと考えるか?
・この顧客から何を学びたいのか?ニーズ?欲求?希望?何が最も感謝されているか?顧客は何を変えたいと思っているか?

4、われわれの成果はなにか
・短期的な業績と長期的な変化を見よう
・定性的、定量調査で組織の発展と業績を見れる
・成果をどのように定義するか=何を測定し、モニターすべきか?成功のために欠くことができないものは何か(現在の成果と将来の成果をわけて考える)
・一つに集中してこそ成功は可能になる=正しいことでなく成果達成と成功について語る
=より強化すべきものと、放棄すべきものを決める(将来の成功のために、集中すべき領域は?)

5、我々の計画は何か
・計画には、使命、ビジョン、ゴール、目標、行動計画、予算、査定が含まれる
・使命とゴールを綿密に考え、それを正式に承認することは組織のガバナンスの基本
・計画=直観も必要→技術ではなく責任
・ゴール=基本的な長期目標の合意は難しいが必要=柔軟で数は少なく→これを示せるのが、成功した組織の特徴(5つ未満)
・オプションプラン=将来、組織のゴールが達成され使命が成就した場合を想定したビジョンの表明
・目標=具体的で、測定可能なレベルの業績であり、ゴールに到達するための個々の要素
=ゴールまでは理事会の責任、目標と計画はCEOの責任
・効果的な計画のための5つの条件
一、成果を上げていない、あげた事のない、役目を終えた、実行する力のない活動を廃棄する
二、成功のカギの要因、いま成果を上げているものを強化する。成功しているときこそレベルアップを考える
三、明日の成功、想像力をかきたてる多様性のある革新をめざす。まず何が求められているのかを問う
四、どこにリスクを負うのかを意識してリスクを負う
五、得意でないが実行すべきこと、将来チャレンジすべき分野、見えかけてきた機会を分析する
・使命→ゴール→目標→行動計画→予算→査定のサイクルを作る