ビジョナリーカンパニーの例を持ち出す間でもなく、経営理念、ビジョンが組織成員の心を一つにまとめる重要な役割を果たすことはよく知られています。そしてこれはチーム経営の主要な要素でもあります。
松下幸之助は「この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行っていくのか。という点に基本の考え方を持つこと。事業経営に一番根本になるのが、正しい経営理念である。それが根底にあってこそ、人も技術も資金もはじめて真に生かされてくるし、また一面それらはそうした正しい経営理念のあるところから生まれてきやすいともいえる」と述べたと伝えられています。
しかし、この理念を組織に根付かせるのは容易ではありません。「ゼミナール経営学入門」で加護野先生と伊丹先生は「経営理念が組織文化の一部になった時」、初めて理念は力を発揮する旨を述べています。つまり、組織成員がみんなで、こうした理念を受け入れて、それに従い行動できるようになることで、初めて理念は意味を持つのでしょう。このためには、組織文化の定着という課題があるのです。
この本は入門とありますが、本当に深い内容を含んでいます。厚いけどお薦め!
- 作者: 伊丹敬之,加護野忠男
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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