表題の小冊子をチーム経営のホームページからダウンロードできるようにしました。ここではさわりをお知らせしようと思います。ダウンロードはここから http://teamkeiei.com/report-buka.html


1.自ら考え、自ら動く部下の重要性     

いま、職場において、自分で考え、自分で動けるメンバーが重要になってきています。それは次のような経営環境の変化が生じているからです。

≪自分で考え、自分で動けるメンバーの重要性≫
(1)仕事に必要な知識の高度化
 仕事に必要知識が高度化するにつれ、リーダーの過去の経験や知識では適切に対応できないケースが増えています。
(2)経営環境・顧客ニーズの変化の加速
 顧客ニーズ、技術の変化が加速する現在、リーダーにすべての情報を集約し、意思決定する中央集権モデルは、リーダーの情報処理負担を増加させ、処理速度を遅らせることになります。
(3)組織学習(経営品質・業務改善)の重要性増大
 よりよい経営品質の実現を目指し、メンバーの知恵とチカラを活用して、業務プロセスや経営計画立案を行う重要性が高まっています。

 こうした経営環境の下では、リーダーからの指示・命令を待って受動的に動くメンバーでは、変化にうまく対応できません。組織やグループの目指す方向を理解し、自分の持つ専門知識を活用し、時には他のメンバーの知識・力を借りながら、環境変化に自律的に対応する「自分で考え、自分で動くメンバー」が必要とされるのです。


2.部下の育成についてのリーダーの誤解         

「自分で考え、自分で動く部下」の育成について、リーダーには次のような典型的な誤解があります。

≪リーダーの誤解≫
(1)人材育成は人事部の仕事だ
(2)成長するのは部下の自己責任
(3)経験や知識を教えているのに育たないのは、部下に能力がないから
(4)仕事の結果を見て、ほめたり、叱ったりすれば、部下は育つ
(5)個人の能力をアップすれば、自分で考え動ける部下は育つ

 こうした部下の育成に関する誤解のために、リーダーの中には、部下の一挙手一投足に口を出し評価するような過干渉になったかと思うと、次には放任してしまうという両極端を繰り返してしまう人もいます。

しかし、自ら考え、自ら動く部下は、過干渉でも放任でも育ちません。 

以下では、こうしたリーダーの誤解を解き明かしながら、「自分で考え、自分で動く部下」の育成のためにリーダーがなすべきことを考えていきます。