木曜日にある職場を訪ねるのですが、そこの方のニーズを聞いている内に、新たな小冊子が欲しくなり、今日は終日それを書いていました。下記はその一部です。

<人を生かして成果を上げる職場作りの手順>

1.職場活性化のベースとなる会議・ミーティングのデザイン

(1) 会議・ミーティングをベースに、職場を変える

人を生かして成果をあげる職場を作るには、グループプロセス・ファシリテーションを効果的に職場に導入していく必要があります。その際、意図的に職場を変えていくための「ベース」となるのが会議です。会議は職場のグループプロセスが典型的にあらわれてくる場です。この会議を

自由で守られた場
目標に向かって真剣に話し合える場

に変革していくことができれば、会議のメンバーは、建設的な規範が持つ力、知恵とチカラの合わせ方、その楽しさに気付くことになります。特にこの会議の中で、顧客・クライアント、組織、そして働く人に皆にとってよりよい方向で職場の課題が解決できれば、メンバーに自信とやりがいが湧いてきます。さらにこの会議でグループプロセス・ファシリテーションを体感することで、その効果も実感できます。

 こうなれば、この会議のメンバーが中心となって、職場の様々な場面でグループプロセス・ファシリテーションが応用され、職場全体が「知恵とチカラをあわせられる場」へと成長していくのです。
 
(2) ベースとなる会議・ミーティングをデザインする

ここでとても重要なのが、まずどの会議・ミーティングを、職場を変える「ベース」とするかのデザインです。これには下記の2つのパターンがあります

一、職場のリーダーが集まる定例的な職場運営に責任を持つ会議をベースとする

 例えば30名程度の職場の場合、数名〜10名ほどのリーダーがおられるでしょう。こうしたリーダークラスが定期的に集まる職場運営に責任を持つ会議をデザインし、そこにグループプロセス・ファシリテーションを導入します。中小企業などであれば、これが経営会議的意味合いを持つでしょう。
 このパターンの長所は、第一に職場に大きな影響力を持つリーダーが集っているので、ここで「知恵とチカラをあわせられる場」が生まれると、職場全体への普及が比較的簡単に進むことがあります。
 第二に、職場運営に責任を持つ会議なので、職場のあらゆる出来事を議題にできるため、職場活性化に役立ついろいろな課題を議論するのに適していることです。また定例会ということで、なくなることはありませんから、職場活性化の「ベース」となりやすいといえます。

二、現在の職場の課題を解決するプロジェクト会議をベースとする

 もう一つのパターンは、職場のグループプロセスの診断などの中で出てきた、「知恵とチカラをあわせる上での大きな課題」の解決に焦点を当てたプロジェクト会議をデザインし、この課題を解決することを通じて、職場活性化を図る方法です。例えば、
≪プロジェクトの内容例≫
・部門間の協力関係の構築による顧客ニーズへの迅速な対応
・顧客・クライアント、組織、そして働く人に皆にとってよりよい業務プロセスの構築

・職場のミッション(方向性)、経営戦略の共有
・リーダーが一人で指示命令する形から、皆で課題設定し、皆で解決する運営への変革

などのプロジェクトが考えられます。

 この方法の長所は、課題が絞られており明確なため、取り組みやすく成果も見えやすいことがあります。しかし課題が解決すると解散する時限的性格を持つため、職場活性化のベースにするには弱いところもあります。

 こうした2つのパターンを組み合わせ、当初はプロジェクト会議でスタートし、それを徐々に定例的な職場運営会議に吸収する方法もあります。


2.会議・ミーティングにグループプロセス・ファシリテーションを導入する

 ここはすでに会議ファシリテーション5つのコツなどで書いていますので割愛します。必要な方はチーム経営のホームページからダウンロードしてください。