昨日の続きです。ラボラトリーメソッドの7つの学習領域です。

1、感受性を高めること=自他の情緒的反応、感情表出に気付く。こうした意識化がないと、人間の目標・価値観の行為などが全人としての実存と不協和になる
→自己の潜在能力の開発という認識を持てず、それが達成できない
=個々の状況という人間的要因に半ば盲目状態で行動

2、自他の感情に注意=自分の行為の結果を認知し、それを通じて学習する能力高める
→他者の行動から与えられる手がかりへの感受性高める。フィードバック技法の活用能力の開発に力点

3、社会的で、かつ個人的な意思決定や行為の問題に対する民主的、科学的アプローチと両立する価値観や目標を発展させるよう参加者を刺激
=特に気づかずにいた自己の価値観の矛盾に、公の場で直面。食い違いの解決の途中で、評価や批判を伴わぬ心理的支持が他者から与えられる場合=重要な学習が発展

4、自己の個人的な価値観、目標、意図を行為と結びつけ、内外からの要請と矛盾せずに行為できる道具として有効な諸概念や理論的洞察を発展させること
=対人関係、集団状況を正確に感じ取り診断すること、自己の内部の感情・知覚と外部の出来事との関係を認識し、とるべき行動の選択が可能になるために、学習者は人間行動に関するたんなる常識論ではなく、理論を必要としている。
=行動科学の知見と方法論がある
→こうした諸資源(=理論など)を参加者の背景と要求と適合し、かつ関連を持つような深い単位にまとめて呈示するように懸命に取り組むこと=ラボラトリの設計者

5、参加者の環境に対する行動のしかたを有効なものにする助力を与える
@人間的努力の大きな無駄=意図並びに診断と行動のアウトプット(影響)に脈略ない事
=<概念の学習、自己への洞察、価値の明確化、目標の設定>と<社会的相互交渉における表出に必要な行動技術の発達>が同時でない。前者が先んじることあり。
→意図と行為のよりよい結合に資する行動技術の発達に焦点をあわせる

<上記5つは個人の学習者に焦点をあてたもの>

・個人の実が行為や変革を行う単位ではない=共通の目標を達成し、自分たちの資源を統整することを学習しているチームは重要な行為単位
@ラボラトリでの学習結果の創造的かつ適合的な応用能力を持つ新しい社会単位やチームを育成することがラボラトリの中心目標
@組織内の成員が同一のラボラトリに出席する場合に達成されることあり。または同僚に呼びかけて参加を促す場合
@チームの発達、組織全体の問題のチームによる診断、対応のためのチームの計画
@個人の成長とチームの育成という2つの目的が、ラボラトリの設計の中で統合
@ファミリー・プログラム=組織内の1つの生の集団を対象

・ラボラトリのカリキュラム
@人間組織のある単位が、変化に対する要求について評価することを助け、変化を創り出す方法を編み出し、試すことができるよう助力を与える目的で設定
@標的は個人、またはチーム
@期待される学習と変化の方向=参加者の価値観、概念、感情、認知、戦略、技能を相互により統合的、かつ適合的に組み合わせること
@このために参加者は、観察者、診断者、評価者、行為者、探究者の役割を交換し、逐次それらを経験してみることが必要
@その役割の中で、脅威、無力さ、抵抗、強さ、幸福感、満足などの人間的感情を処理
@チームが探究する場合でも、一連の洞察と再洞察を経験することに変わりはない

6、ラボラトリの学習の現場への移転=スタッフにとってもっとも困難な課題
@カリキュラム=新しく学習した行動様式を、復帰した職場の代表的な行動様式に統合させることができるように助力

7、究極の目的=学習者に「学習の仕方を学ばせること」
@自らの学習過程の分析者になることが求められる
=学習を高めるために他者という資源を探し求め、それを活用する能力の開発を含む
=他者の学習を高める資源となる
@学習者を積極的でもあり熟慮的でもある、楽観主義的で協調的な自己同一性の獲得へ方向付ける