以前にご紹介した、「生物と無生物との間」の本をまとめてみました。ご参考までに

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

熱力学的平衡状態
 濃度勾配、温度分布、エネルギーの分布、化学ポテンシャルなどは、すみやかにその差が解消され均一化する=エントロピーが最大の状態
エントロピー 乱雑さ(ランダムさ)の尺度
 すべての物理学的プロセスはエントロピー最大(死)の方向に動く
・生物 上記平衡状態に陥るのを免れている?
 生命=「現に存在する秩序がその秩序自身を維持していく能力と秩序ある現象を新たに生み出す能力を持っている」
 食べる=秩序維持 しかし、食物に含まれる有機高分子の秩序を負のエントロピーの源にしているわけではない(消化によって秩序をわざわざ分解)
・私たちの体は、何ヶ月かで入れ替わる?
 タンパク質=アミノ酸の数珠玉、常に多数のアミノ酸が組み合わされ新たなタンパク質が組み上げられている。=同量のタンパク質が恐ろしい速度で分解され体外に捨てられる
 アミノ酸もさらに細かく分解され、改めて再配分され、各アミノ酸を形成する
=絶え間なく分解され入れ替わるのは分子レベル
・体を通り過ぎる物質=「体」があるのではない。通り過ぎる物質のある種の「秩序ある流れ(動的平衡)」が体を生み出す。=「生命は動的平衡にある流れである」
=流れによって増大するエントロピーを体外に排出
・流れを生み出すもの
ジグソーパズルのような、やわらかな凹凸によるゆるやかな結合(相補性)=タンパク質を構成=くっついたり、離れたりできる→階層的に相補性がネットワークされる
=ミクロのジグソーパズルはある特定の場所に特定のタイミングを見計らって作りだされる。そこでは、新たに作り出されたピースと、それまでに作りだされていたピースの間に形の相補性に基づいた相互作用が生まれる。その相互作用は常に離合・集散を繰り返しつつネットワークを広げ(時間軸に合わせて角々をあわせて折りたたむ折り紙)、動的平衡状態を作り出す
→これを乱す操作的介入=取り返しのつかないダメージ
・ミクロのピースが一つなくなった時
 欠落を埋めるために、動的な平衡点が移動する=そのまま機能することもあり(許容性)