9月から月1回開催してきたファシリテーター養成講座の最終回です。

eichen2007-11-19


 少し寒くなりましたが、それでもすがすがしい快晴のお天気の中、これまでの体験学習を通じて互いに知り合い親しんできた受講生のみなさんは、和やかな雰囲気で朝の挨拶を交わしながら、笑顔で会場に集まってこられました。受講者同士が積極的に講座にかかわり、互いの関係性が深まることで、より学びも深まる体験学習ならではの雰囲気を感じました。

 パワーポイントの資料を見ながら、ざっと過去2回の復習をして、講座はスタートしました。チェックインでは2人1組になって、話し手と聴き手に分かれ、この講座での学びをふりかえりながら今日の講座で学んで持ち帰りたいねらいについてそれぞれの思いを語っていただきました。

 語り手は5分間話し続けます。言葉が途切れても頑張って5分間ずっと話し続けてもらいました。聴き手は5分間一言もしゃべらずにただ無言で傾聴してもらいます。そのあと全員で大きな輪になって今日のねらいについて一言ずつ話しました。5分間話し続けることがとても長く感じられた人、話す時間より聴く時間のほうが長く感じられた人、ただ黙って聴くことの難しさやもどかしさを感じた人などいろいろな反応がある中で、やはりみなさん今日の自分の学びの目標をよりいっそう明確にされていたように思いました。

 今日の一番の目的は会議のロールプレイを通じて、実際にファシリテーターをやってみて、ファシリテーションを体験的に理解することです。
その前に「会議ファシリテーション5つのコツ」の小講義です。
1. ファシリテーター役を設ける
2. 会議メモを採用する
3. 会議ルール定め、共有する
4. 会議開催通知を導入する
5. 会議にふりかえりを導入する

 小講義の後、7人ずつ2つのグループに別れ、いよいよ模擬会議のロールプレイが始まります。会議の議題は「知恵とチカラを合わせる会議を妨げる要因について」。
それぞれのメンバーがファシリテーター役1人、書記役1人、観察役1人、会議のメンバー(ふりかえりでファシリテーターにフィードバックをする)3人、会議のメンバー(ふりかえりで書記にフィードバックをする)1人の役割を交代で演じながら、13分間の会議を7回にわたって続けて行きます。各回の会議が終わるとふりかえり用紙に記入し、それにもとづいて、その場で起こったこと、誰がどんな役割を果たしたかをふりかえっていきました。
 それぞれのメンバーがそれぞれに個性のあるファシリテーター役や書記役を務めながら、自分の場にかかわる際の特徴や改善点を身を持って学ばれました。

 最後にアンケートを記入して、みんなで大きな輪になって、アンケートに書いたことの中から一言ずつ感想を語っていただきました。

 自分自身が変わることの必要性を感じられた社長さん、自己開示や傾聴の効果を実感され職場でも家庭でも実践することを宣言された方、学んだことを職場で実践することへの意気込みを語ってくださった方、3回の講座を通じて自分自身の場へのかかわり方に対する変化を語ってくださった方、自分らしさを大切にしたファシリテーターをめざしたいという思いを語ってくださった方など、みな笑顔で充実感の感じられる場となりました。

 講座に対する満足度も高く6段階評価で平均5.5の評価をいただきました。
3ヶ月間本当にありがとうございました。是非この講座で学んだことを活かして、参与的観察によって場のプロセスを感じ、みなさん自身がチェンジリーダーとなって、職場を会社を知恵とチカラを合わせるチーム経営の場へと変えていかれることを願っています。

 アンケートの中から掲載許可を頂いた意見をご紹介します。

ファシリテーターをやってみて、もう少し自信を持ってやればいいんだなあとみんなの意見で感じることができました。業種の異なる様々な人にフィードバックされて自信をもらいました。(くらしの工房・鎌田晃明さん)

・場にも慣れたし、実践練習もでき何かがつかめたと思う。ファシリテーターも書記も人柄が出る。それを活かして話しやすい環境を作れたらいいと思う。みんなに参加意欲があればダラダラ会議をしなくてもすぐよい意見をまとめられると感じた。一人の発言によって場を和ませたり、緊張感を持たせられるのだと感じた。(くらしの工房・大坪逸美さん)

・新しいスキルに気づきました。自分自身リーダーシップが強いので場を促進できるとは思ってみなかったんですが、意識すればできると感じました。促し役や聞き役などは自分にはムリというのがありましたが、出来るようになりました。相手の意見を掴むというスキルを学びました。これから自社にファシリテーションを落とし込んでよりよい会議につなげようと思います。みなさんのフィードバックで自信につながりました。(News.CO.・山中佑介さん)

・今まで一方通行の会議が多かったが、自分自身が変わることですばらしい会議に変身できることに気づいた。「場」とは「場づくり」とは何かを理解できた。今後自社の会議を変えてやろうと強く思った。(松下電器ライティングユニオン・今井修治さん)