ふりかえりは、体験学習において最も重要なステップです。昨日に引き続き、スマイルの所長の西田真哉さんの「体験学習法とは」の論文をまとめてみました。こうしてまとめてみると、自分がやっているふりかえりのファシリテートを見直すきっかけになります。

 スマイル http://cwaweb.bai.ne.jp/~fnagao/smile/

・体験学習法とは=「今、ここで、に共有されているデータに基づいて、自己、他者、それらの関わり方、その場の状況への気づきをとおして、学習(成長・変革)する教育方法で、基本的に参加者の学習欲求に応じて、デザインされ実施される。」

・前提条件
1、学習者中心の学習=教師は体験の内容そのものに介入せず、体験した事の明確化や概念化の段階において、関わる
2、体験は、気づきや感じた事の確認や解釈に終わるのではなく、理論との統合によって概念化(仮説化、一般化)されて、現場への適用や新しい状況での試みに生かされるものである
3、「学び方を学ぶ学習」である。学習者が主体的な学び方を身につけて現場において体験学習の循環過程が生かされてこそ、成長の助けとなる

・体験学習法の循環過程
(1) 通常
1、体験する(experiencing) Do やってみる→気付き
2、指摘する(Identifying) Look 観てみる いまここのプロセスをみ、焦点をあてる
3、分析する(Analyzing) THINK 考えてみる
4、概念化する(Hypothesizing)Plan 仮説化、一般化
上記?〜?がふりかえり
(2) ガウによる循環過程
1、体験する(experiencing)
2、わかちあう(sharing)経験から生まれたデータを報告する
3、解釈する(Interpreting)個人やグループから出たデータの意味を明らかにする
4、一般化する(generalizing)データから検証可能な仮説や抽象概念に発展させる
5、応用する(applying)概念化したものを新しい状況でどう使うか計画する

・ふりかえり、わかちあいの意義を理解する
 この段階がかなめ。時間をかけるのを惜しまない。ねらいに即した「ふりかえり用紙」に記入してから分かち合うことが確実。

・学習者を援助し、介入のなんたるかを理解する
 ファシリテーターはプロセスが見えたうえでリードするのではなく、必要なアドバイスやヒントを明示して、学習の促進効果を図ることができる必要。操作的姿勢と区分け必要。

・概念化に際して必要な理論を理解する。
 必要状況に応じて、適切な補いを行う