いま、ふりかえりと体験学習について改めてまとめをしています。「自然体験活動における体験学習法の調査研究」という南山大学の津村先生の論文をまとめてみました。

・ふりかえりの発祥
1946年グループダイナミクスの基礎を築いたクルト・レヴィンが、公正雇用実施法の正しい理解と順守を促進するリーダー養成のワークショップを行う。グループ討議、ロールプレイングなどを行い、観察者などスタッフが当初、グループで何が起きたかを話し合った。ところが、参加メンバーが、スタッフの議論に異論を唱え出し、その場で起こった事のデータを出し合うふりかえりが生じたことで、グループや個人の深い学びが発生した。
=グループの相互作用過程において、「いま、ここ」で生起している現象に対する認知と解釈が各メンバーで異なり、そのことをデータとして出しあいながら吟味することにより、刻々と変化するグループの真実のプロセスを理解することができ、そのことを通じて、グループが成長していくことを発見。

・ふりかえりとは、「英語で、プロセッシング。特定の構造をもった実習を行った場合、そこに生じる感情、行動、思考のデータを各メンバーが開示し、話し合うことによって処理することを意味する。この処理のプロセスで、自己・他者・グループのあり方を吟味し、新しい試みの可能性を探る=学習者の体験を一般化し、トレーニングでの学びを実生活の場面に応用可能な学びとして転移する。ここでは、できる限り各メンバーが持っているデータを出し合い、十分に話し合える時間をとることが大切。

・体験学習法の注意点
 参加者自身が学ぶ責任を持つ=自ら見つけ出し、学びとっていく場であることを認識させる必要②自発性と主体性=いかに他者と自由に共に生きられるか 例 無理に言わせる、ファシリテーターとしての期待を過剰にかける=ファシリテーターの欲求が強すぎて、参加者をコントロールにおいたり、過度の負荷をかけるのは駄目