昨日はチーム経営研究所のパートナー会議を行いました。今回はメインのワークショップとして、チーム経営とは何かについてビジョンの共有を行うことを目的としました。

 その手法として川喜田二郎の「発想法」で紹介されている知恵と力を合わせる手法「KJ法ーAB型ー」でやってみようということで、まとめをしました。ご参考までに紹介しておきます。

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

 KJ法AB型の手続き

1、何を問題とするかの主題をはっきりさせる

2、上記のテーマにつき、討論し、それについて、記録係を設け、名刺大のメモに、「会議の各発言の内容を一区切りの内容ごとに圧縮し、「一行見出し」にして」記入する。
注1 区切る単位の決定(単位化)と圧縮化がなされる(コンセプト・フォーメーション)。目的によって粗く区切るケース、詳細に区切るケースを分ける。一般的には2時間の会議で、数十枚から百数十枚のカードができる。
注2 できるだけ柔らかい言葉で、要点のエッセンスを書きとめる(肌ざわりが伝わる方法で)

3、グループ編成
・記録された紙片群を大きくゆったりめに拡げる
・あわてず、さわがず、端からでも、真ん中からでも読んでいく
・紙切れ同士で、親近感を覚える紙切れ同士が目につけば、一か所に集める(紙切れ同士の小チームを作る)
・小チームがかなり編成されてきたあたりで、今度は1チームの紙切れをよく見る。いままで「何となく親近感があった」程度であったが、今度は「なぜその紙片をチームにしたのか」を理性的に反問する。このときふさわしくないカードが見つかる場合もある。そしてなぜそのカードたちがチームにされたのかが納得できれば、今度はその小チームのカードたちの内容を「一行見出し」に圧縮して表現するならどうなるかを考え、「表札」を付ける。(青鉛筆など違う色で描く)
・小チームを同じ手続きで処理し、中チーム、大チームを編成する。(色を変える)
・こうして5〜10位の大チームができ、それを包み込む表札は、その時の討論の主題となっている。

注1 最後までどの小チームにも入らない「離れザル」は、無理にくっつけない。中チーム、大チーム編成の際に無理なくくっつく。
注2 必ず小チーム→中チーム→大チーム編成へと進めること
注3 ・一人だけがチーム作りをしない
   ・最初に項目分けなどをしない

4、図解化
・紙切れチームをもう一度取り出し、机に広げて、これらの紙切れをどのように並べたら、論理的にもっとも納得がいくかについて考え、そのような配置の仕方を探す(紙切れ同士の間の意味のつながり、すなわち相互の関係を空間的に表現した配置が見いだせる)

注1 かならずしも1種類しかないわけではない
注2 この空間配置が適切かどうかは、口で説明してみるとわかる。内容がつながったらOK.空間配置が悪いと、話がつながらない。
注3 形はどんなふうにもなる。予断をもたない

・空間配置をA4の紙に清書する
一、カードひとつ一つの一行見出しを、鉛筆で輪にして囲む(2〜3段で)
二、この一つ一つの輪どり(一行見出し)をどうつなぐか考える。
 例 →、対立関係、リングで囲い込むなど

注1 大チームから、中チーム、小チームの順に行う。大チームの一つの一行見出しが索引となり、中チームの清書がなされる。
注2 原資料の(紙切れの)通し番号を記入しておくと便利

5、文章化
・本来はどこから文章化してもよいはずだが、そこから書き出した方がよいという戦略的起点がある。
・原資料の紙切れを、前後関係で連接する
・図解したものを見て、考えよさそうなところから書き始める
・ただ、書いているうちに順番を厳格に固定しない
・書き始めの場所と隣接領域にせめこむ
・近辺にあるひと組の親近性あるデータ群を一括して同時的に考慮に乗せる(図を使えば容易)
→データが語りかけてくる体験。独創的解釈が起こる可能性大。
・一連の小チームデータ=ベーシック・アブダクティブ・データ(基本的発想データ)
→ここからいくつかのヒント、仮説が飛び出す
(ヒントが生まれる過程は収束過程、しかしいくつかヒントが生まれる過程は発散)
・基本的発想データから生まれたヒント、別のデータから生まれたヒント同士が干渉
一、対立・矛盾 没落
二、応援するヒントがない 未発達
三、同じようなヒントがいくつもの基本的発想データからうまれる 安定性の獲得
四、ヒントが組み合わされ、次元の違うヒントが生まれる 包括性の獲得
こうした過程を経て、仮説が統合的に成長していく=データの累積効果
・文章化の強みは、こうした累積効果がきちんとなされる点にある。

注:図解だとわかったつもりが、文章にするとつながらないケースが発見できる。図解の訂正が可能に。=図解の弱点を克服し、見破り修正する力。(逆に図解には文章の前後関係にしか並べられないという課題を克服する力がある)
注 叙述と解釈をきちんと区分けすること。ただし区分けができれば解釈は重要なこと。