中堀先生から、Tグループの受講者集めのための手紙をもらったのですが、そこには本当に心を打つ、そして私たちが戒めなければならない文言がありました。少し引用して皆さまともわかちあっておきますね。

 「私たちは普段、家庭でも、職場でも、その他のところでも、様々な人と共に過ごしています。ところが、最も基本的な事を忘れていることがあります。一体それは何でしょう。
 日々の生活の中でわたし達は、様々の問題に出会い、それを解決しようと努力をしています。世の中を今より良くしようとする努力もしています。そのために多くの研究が行われ、新しい考え方や方法が生み出され、実践もされています。
 
 地域開発や組織開発推進のモデル、新しいマネージメントの取り組み、教育ファシリテーション、体験学習 等々。
 
 ところで、これらの考え方や方法が本当に機能して実を結んでいるかどうかをみてみると、そうでないことも多々あるのでないでしょうか。この40年余り、色々のカウンセリング手法、人間関係のモデル、教育プログラムが次々と現れては消えてもいきました。

 これらの方法や考え方が生かされていくには、それに取り組んでいる者が、他者と一緒に生きている場(ところ)で起こっていることを、自分の感性と知性を用いて、自分の事として、また、相手のこととして受け留め、共有する体験、それらを基盤において養われていく『共にあることへの想い』をその時々確認し合いながら進むことが欠かせないのではないかと思うのです。この“感受性”と“想い”がないところで、問題解決を図ったりより良く生きる事を目指そうといろんな方法を使っても、『方法倒れ』に陥ったり、他者を強制し操作することになったり、一方的な教えとなり、目指そうとすることとは逆の結果に終わるのではないかと思うのです。」