先日ある公立病院で新任のマネジメントの方向けの研修をしてきました。これももう5年くらいになります。

マネジメントで一番難しいのはやはり人を動かす所だろうと感じます。特に病院ではチーム医療の問題や、リスクマネジメントの問題等、指示・命令では人を動かしにくい課題が多くあります。

こうした時にメンバーと共に一緒に考え、一緒に決めることができれば、メンバーは当事者意識を持って動いてくれます。そのためにメンバーが自分の失敗やアイディア、意見を言いやすい風土を作り、問題意識を共有し、さらに合意形成によって職場の課題解決や行動規範を作ることがマネジメントの大きな課題となるのです。

研修では、リスクマネジメントという難しい課題に対処するために、2回の模擬会議を通じて職場における行動ルールを作るという設定で、体験的に学んでいきました。

私がとても印象に残ったのは、マネジメントというのが、課題を前に進めるための役割というだけではなくて、これがないと働く人と、ひいては患者さんを大切にできないもの、つまり「人を大切にする」ために支える役割だということを、共感を持って受け取ってくれた人がたくさんいたことです。

志が高い人達がいてくださることに勇気づけられると感じました。