ファシリテーターとして組織に入る前の注意点をまとめてみました。

1、支援という状況の特徴
(1)屈辱、不安、緊張
支援関係とは対等なものではなく、支援を求めることは屈辱(メンツを失う)的状況ととらえられている。支援する側の立場が強くなるため、相手には不安と緊張が発生している。また自分に主導権があると感じたい気持ちが強い
(2)あいまいさ
クライアントと支援者のそれぞれが相手に期待しているものが曖昧。クライアントも本当に自分が何を求めているのかが見えない状況

2、支援関係構築のための原則
(1)支援者が意識して、相手が力やなすべき大事な役割があることを伝え、面子を立て、
地位を引き上げる(=対等な立場でチームを組めるようにすること)努力をする
(2)支援者は支援関係を利用して、自分の個人的な利益を追求してはならない。また相手にそう見える恐れのある言動を慎む必要がある
(3)支援者がまず行う必要のあることは、互いが相手に期待していること、クライアントが本当に望んでいること、クライアントのおかれた状況、支援者が真にできること、支援者のコンサルティングポリシーなどを互いが理解しあうことをファシリテートすること。この上で本当に支援関係に入るのが望ましい状況なのかを確認する。

3、見込みのあるクライアントとの関係構築の注意点
(1)出会いの状況
 支援者は立場が高いと思われているため、それにふさわしい服装コードが求められる。
やはりスーツというフォーマルウェアを中心に講座・講演・面談を行うことで、支援者と
いう社会的役割にふさわしいように演じる

(2)個別相談のアポイントとり〜相手の屈辱、不安、緊張、あいまいさに敏感に
 アポイントをとる際も、できるだけアポイントにおいてこちらが相手に期待しているこ
と、こちらのポリシー(相手の状況をよく理解して、一緒に対応策を考え、顧客が主導で
実行する)や倫理規定があることを伝える。また私たちもそれがミッションであり、喜び
であることを伝え、相手の不安、緊張、屈辱を取り除く。


(3)個別面談、最初のコンタクトにおける対応=対等な立場でチームを組むために
?面談の目的を明確にする
 面談は互いが相手に期待していること、クライアントが本当に望んでいること、クライ
アントのおかれた状況、支援者が真にできること、支援者のコンサルティングポリシーな
どを互いが理解しあうことをファシリテートすること。この上で本当に支援関係に入るの
が望ましい状況なのかを確認するためのものであることを伝える。
 いきなりアドバイスを与えるためのものではないことを明確化。

?状況をよく理解したいし、支援したいことを伝え、状況を理解するための問いを発する
 =相手に興味を持ち、互いの状況を理解する。本当に何が必要なのか?

?時間をかけ、信頼を築き一緒に本当の課題を見つけ、一緒にやりたいむね提案する
 ・一回では無理なので一度オブザーブしたい旨、提案する。または定期的なコーチングセッションを提案する。
 ・互いの信頼と相互理解を育てるためコミュニティ参加を促す
・必要な場合(相手が求める場合)、これまでのこちら側の支援の概要・実績を説明する。

?支援の基本の流れを伝え、対等な関係を築き、安心感を増す
 ・現場のオブザーブからご提案、またはコーチングセッションの流れ。特にご提案が共
有できてから課金される旨を伝える
 ・先方の会社の情報に触れることに対する倫理規定を示す
 ・コンサルティングポリシーを示す。時間をかけ状況を理解し、真に必要な支援を一緒に見出し、対策も共に考えること。ただ
―本当に課題に立ち向かえるのはクライアントだけ。
―クライアントは情報の提供、実行計画などに主導的な役割
―別のイベントなどに誘ったりしない旨伝える
 ・基本金額について、課金の仕方について伝える

(4)現場でのオブザーブ状況における対応=対等な立場でチームを組むために
?オブザーブの目的を明確にする(上記と同じ)
?状況をよく理解したいし、支援したいことを伝え、状況を理解するための問いを発する
 ・社長や先方の幹部の方と場を持ち、状況を理解するためのミーティングを持つ
 ・この中で何が問題で、対策として何ができるかを皆で考える
?ご提案
 ・?のプロセスで出てきた内容をご提案書にする。この中で金額・支援方法なども謳う
?契約する