一分間マネージャーで有名なブランチャードのサーバントリーダーシップの本「新リーダーシップ教本」をまとめました。チーム経営でとても重要なコンセプトです。ご参考にどうぞ。

新・リーダーシップ教本―信頼と真心のマネジメント

新・リーダーシップ教本―信頼と真心のマネジメント

  • 作者: ケンブランチャード,フィルホッジス,ビルハイベルス,Ken Blanchard,Phil Hodges,Bill Hybels,小林薫
  • 出版社/メーカー: 生産性出版
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本
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1、奉仕者としての心 リーダーの性格論
(1)効果的なリーダーシップは人間の内側から始まる
・人間行動の真の変化は、心の変化を要求する。そうした本当の自分が存在するのは魂の中である
・キリストのメッセージは、真に心を打つもので、性格が変容する
(2)真のリーダーシップは、内側の奉仕する心から始まり、それが人々への奉仕という形で外側へ向かって動いていく
・まず奉仕者。リーダーは二の次。この場で自分がリーダーシップをとるのは、自分がこれが奉仕できるあり方だと思うから。リーダーシップは天からの召命として呼ばれたときのみ行使するもの。
「あなた方の中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、一番上になりたい者は、すべての人の僕となりなさい」
(3)リーダーの共通した性格
・最大のねらい=自分が導く人々の最大の利益
・導く人々の成長=個人としての満足
・導く人々に思いやり
・責任は自分にあると自覚=「自分が行い達成していることは、奉仕する人々のニーズに合致しているか」を絶えず自らに問う
・心から人の話に耳を傾ける。よりよく奉仕するためのフィードバック、アドバイスも快く受け入れる
・自分のエゴをコントロールして抑える。神を追い出さない。

2、奉仕者としての頭 リーダーシップ方法論
(1)リーダーシップは明確なビジョンから始まる
・リーダーシップの2つの側面。ビジョンを描く役割(正しいことを行うこと)、実行する役割(正しく行うこと)
・ビジョン=情熱を生み出す未来像=この情熱に自らも他人も従いたいと願う。明瞭なビジョンがない=水がどこにも流れていかない
・明確なビジョンには4つの側面がある
一、目的 どういう事業を行っているかを、自分にも他の人々にも告げてくれる
二、イメージ すべてが計画通りに運んだならば、事柄はどうなているかについての図柄を示してくれる
三、価値 自分も他の人々も目的遂行に向かって働いていくためには、どう行動したらよいかを決めてくれる
四、ゴール 自分と他の人々のエネルギーを、今ここで、どこに集中すべきかを示してくれる
・旧来の伝統的ピラミッド組織は、ビジョンの確立、共有には有効。他の人々を巻き込むとしても、ビジョンの確立の最終責任はリーダーにある。
(2)部下に責任を持ってもらうには、自分が十分な対応力・即応力を発揮しなければならない
・実行=ビジョンと方向に沿って生きるところはトラブル発生しやすい。ピラミッド型組織=最底辺の顧客への配慮は放置=上の人々の歓心を買うことにエネルギー、上司の言うことへの対応力のみ身につく。顧客に接する人はアヒルがガアガアいうように、「それは上司に」「ここで働いているだけなので」という無責任体制が生まれる。
・効果的に実行するには、逆ピラミッドにし、顧客に接する人に責任を持たせ、リーダーはこうした人々がゴールを達成するのを手助けする即応力ある奉仕者としてある必要がある。
・キリストの洗足。=奉仕者型リーダーシップの本質=ビジョンと方向がくまなく明確に示された時のみ、実践が可能となり、意味を持ってくる。
(3)パフォーマンス・コーチとしての奉仕者型リーダー
・効果的なパフォーマンス・マネジメント・システム
一、パフォーマンス計画 明確なゴール必要
二、日々のコーチング 部下の実行をよく観察。よければ褒め、ベースから外れたら努力の再方向付けを行う
三、パフォーマンス評価
 計画の部分、そして日々のコーチングの部分(特に観察の部分)が最もおろそかになりがち=奉仕者型リーダーに最も重要な領域=共にある
奉仕者型リーダーとして潜在的に能力のある部下が真の勝利者になれるようにする5つのステップ
四、何をすべきかを言う
五、どうすべきかを示す
六、やらせてみる
七、その動きをよく見つめる
八、進めば褒め、そうでなければ再方向付けする
・部下の力を伸ばすには、良いことを行っている現場を捕まえることがカギ。最初に新しいことをやる時は、ほぼ正しくやることから始める。伸びていけば賞賛する。ゴールは前に動く。

3、奉仕者としての手 リーダーシップ行動論
(1)奉仕者型リーダーシップとは全員を喜ばすことではない
・部下がゴールを達成し、効率的であるための奉仕をし、手助けをするが、そこで重点を置くのは、より高次の使命と一連の大事な価値観に従ってのことである。キリストは神を喜ばせることにのみ主眼を置いた。神と関係ないものは、エゴ中心である。
(2)奉仕者型リーダーは、世俗的成功よりも精神的意義に焦点を当てる
・富の蓄積よりも寛大さを重視
・人に認められることよりも奉仕により大きな関心を抱く
・権力や地位よりも、思いやりのあるよい人間関係づくりに一層考慮を払う
・精神的意義を重んじれば、世俗的成功は自然とついてくる
(3)効果的な奉仕者型リーダーは3つの最終成果を考える
・利潤は顧客によく奉仕し、部下を動機づけて、権限を委譲しうる環境づくりをすることからくる報酬であることを重視する
・財務上の健全さ、熱狂的ファンになってくれる顧客、一致団結して働いてくれる部下という3つの要素は等しく重要である。どれか1つを犠牲にすれば、長期的な効率性は損なわれてその限界を示す
(4)毎日、効果的な奉仕者型リーダーは、奉仕への気持ちを新たにする
・自分が正しい道を保つようにサポートしてくれ、責任をとって行動してくれるグループを持つ。
・孤独、祈り、聖書の研究、という3つのことを自己規律を持って行う
・次の進行の歩みリーダーシップの12段階を通して、リーダーシップを実践する
一、自分のエゴの世俗的成功への衝動により、自分のリーダーシップが奉仕者型でなくなったことを率直に認める
二、神が自分のリーダーシップの動機、思考、行動を奉仕者型リーダーシップに変えてくれることを信じる
三、自分のリーダーシップの努力を神に委ね、奉仕者型リーダーシップの弟子になることを決意する
四、自分のリーダーシップの動機、思考、行動が、奉仕者型リーダーシップと矛盾しているところを日々よく調べる
五、キリストが誇りとしてくれない方法で行動した時は、そのリーダーシップと奉仕者型リーダーシップとのギャップを神と自分と大事な人に率直に認める
六、そのギャップを生んだすべての性格上の欠陥を取り除く事を神に委ねる
七、自分の欠点を取り除き、名声、権力、貪欲への誘惑に対する力をつけることを謙虚な気持ちで神に願う
八、自分のエゴ中心のリーダーシップのために傷つけた人々のリストを作り、そうした人々に喜んで償いをする
九、可能な限りこのような人々と関係修復は直接行う。それがさらに傷つけない限りにおいて。
十、自分のリーダーシップの役割に関しての自己検証を続け、間違っているときには直ちにそれを認める
十一、孤独、祈り、聖書の学習に規律正しく従事することで、キリストのモデルと奉仕者型リーダーシップの努力が合致するように努め、リーダーとしての責任行使の場で人々に出会う時には「奉仕者第一、リーダー第二」を実現するあり方を追求する。
十二、奉仕者型リーダーシップの原理を目覚めさせてくれる「ハートアタック」を経験した以上、この大事なメッセージを他のリーダーにも伝え、自分のすべての営みの中で、実践するように心がける