ここのところずっと、チーム経営に必要なリーダーシップとは何かを考えてきました。

 そこでこれまでのリーダーシップ研究の流れはもちろん、金井先生のリーダーシップ入門やサーバントリーダーシップについて、さらにはゴールマンさんのEQリーダーシップなども参照してきました。

入門から応用へ 行動科学の展開【新版】―人的資源の活用

入門から応用へ 行動科学の展開【新版】―人的資源の活用

  • 作者: ポールハーシィ,デューイ・E.ジョンソン,ケネス・H.ブランチャード,Paul Hersey,Dewey E. Johnson,Kenneth H. Blanchard,山本成二,山本あづさ
  • 出版社/メーカー: 生産性出版
  • 発売日: 2000/06/30
  • メディア: 単行本
  • クリック: 8回
  • この商品を含むブログ (7件) を見る

 そしてこれまでの組織との関わりから、いま一つの仮説が生まれてきました。仮説というよりは実行可能で、成功できるチーム経営のリーダーシップの一つの型と言ったほうがいいでしょうか。それが「支えるリーダーシップ」です。

 これはまず「知恵とチカラをあわせる場づくり」から始まります。これによってグループが成長すると、受容懸念や本音を言えない懸念が解消され、自然にグループは目標を共有しようとします。これが「ビジョニング」の段階です。ここではビジョンや理念、目標がメンバー間で共有される動きが生じます。こうなるとメンバーは自律的に自分で考え、目標に向かうようになるので、それを「励まし、賞賛し、相談に乗り一緒に課題解決を支援する=コーチング」の段階になります。

 そして、こうしたプロセスの中で、組織の構造や評価システム、マネジメントプロセスなどを上記の組織運営にあった形に変えたくなります。これが「組織の仕組み」の変更です。最後にこうした一連のプロセスの中では、リーダーは様々な不安や心配を抱くことになり、それを管理し適切に対処する「自己の管理」が求められます。

 これらがあって、初めてメンバーが自律的に考え動きつつ、組織としてまとまって一つの方向へ向かう体制が整うのです。こうしたリーダーはまさにメンバーや場を支える人であり、「支えるリーダーシップ」と言っていいと思います。