いま「感じ取る、経験を受けいれる」ための体験学習のコンテンツについて考えています。

 それは以下の理由からです。

1、創造的問題解決と合意形成(とそれによる組織学習)のために

 職場において、チームワークによって課題解決をしたり、合意形成を図り、新たな組織のパターン(組織学習)をつくり上げるためには、メンバーひとりひとりが自分で考え、動くことが求められる。
 そしてそのベースには、今のやり方への違和感や現場での情報のキャッチなど、「自分が感じ取っているものをそのまま感じ取る感受性」が求められる。
 ところが、階層型組織に慣れた人、または人・組織・社会の価値観に合わそうとしすぎる人は、受け身になっていて、自分で感じそれをベースに考え、動いていいのだという感覚を持っていない。結果、自分で経験したものをそのまま感じ取らず、上司や組織・社会が求めるものを感じ取ってしまうようになる(答えを求めてしまう)。

2、人がその人らしさを保ったまま大事にされ、成長できるようになるために
 しかし他者や組織に合わせ自分で感じたままを感じ取り、それによって自己概念を変化させる(経験を受容する)ことをしなくなると、教条的となり、自分らしさを失い、また成長への道が閉ざされることになる。
 これは具体的には(暗黙の、または直接的な)フィードバックをうまく受け取れないこととして現れる。こうした人たちは忙しさの中で、また自分の身を守るため、真に自分がその体験から感じていることから目をそらしたりして経験を受容せず、合理化したり抑圧したり、逃避したりする。そのため、結果として自分の意見を持てないので中長期的には組織にとっても役に立ちにくい人になるだろう。