いま、山口先生の勧めで、ロジャースのエンカウンターグループをまとめています。

 グループの成長段階などとても興味深い内容です。ちょっとまとめの部分をご紹介しましょう。


エンカウンター・グループ―人間信頼の原点を求めて

エンカウンター・グループ―人間信頼の原点を求めて

・グループ経験に共通の要素=グループ進行のパターン・段階を述べる
=生態観察的な単純なもの
1、模索
@社会的空白を埋めるために一貫性のない会話
@責任者やグループの目的の追求
2、個人的表現または探求に対する抵抗
@相互に見せていた表向きの自己。恐れ、動揺しつつ私的な自己を表明しはじめる
@自分を皆の前で表明する恐れ、グループへの信頼感の欠如
3、過去感情の述懐
@感情の表明が話し合いの大きな部分を占める
@あの時、あそこで起こった感情
4、否定的感情の表明
@本当に重要な<いま・ここで>起こっている感情が率直に表明=メンバー、リーダーへの否定的態度の形をとりやすい
@自己紹介の拒否と非難、リーダーが援助を与えないと非難
@最初の直接的感情が否定の形で表明される理由
 −グループの自由さと信頼度を試す一番良い方法
 −深い肯定的感情は、否定的感情より表現しにくいし、危険が伴う
  =好きというと弱みを持ち、もっとも恐れる拒否にあうかもしれない
5、個人的に意味のある事柄の表明と探求
@あるメンバーが、自分を意味深い形でグループに示す=自分のグループと認識
@自分の望むグループにしていける自由を感じる=自分の内面を知らせるかけ
@グループは必ずしもこの自己表明を受け入れるわけではない
6、グループ内における瞬時的対人感情の表明
@メンバーが他のメンバーにその時経験した感情を表明する
=信頼しあう空気が増してはじめて探求されうる
7、グループ内の治癒力の発展
@苦痛と悩みを持っている人に対し、援助的、促進的、治療的態度で接する自然の自発的態度がある
@治療的能力は多くの人間にある。グループ経験によって現れ出でる
8、自己受容と変化の芽生え
@グループ経験においてもサイコセラピーと同じく、自己受容は変化の始まり
@愛したことがないのではという自己への気づき
@他のメンバーの仮面の下で生きてきたという表明を聞き考える→自己受容へ
@殻に引きこもる自己を深く受容
@真実さ、偽りのなさを今まで以上に感じること=共通した経験=自分自身を受け容れ、
自分自身であることを学び、感情に密接になり、変化へより開かれる
9、仮面のはく奪
@グループの進行に伴い多くの事が同時に起こってくる。段階は交差し重複する。
@メンバーは仮面や見せかけに隠れていられなくなる。知的理解、如才なさ、当たらず障
らずでは満足できない=メンバーの自己表明により、より深い基本的出会いが可能だとい
うことが非常にはっきりする。この目的に直観的、無意識的に進み始める
@グループは個人が自分自身であること、感情を隠さないこと、日常の社交的な仮面を脱ぐことを要求する
10、フィードバック
@自由なやり取りの中で、自分が他人にどう映っているかを知る手掛かりを多く得る
=動揺を起こすが、グループでは本当に自分のことを考えて言ってくれていると受け取れるので、建設的に作用する
11、対決
@フィードバックという言葉では穏やか過ぎる関係=個人が他の人と対決し、直接「ぶつかっている」
12、グループ・セッション外での援助的関係の出現
@自分のいやな面に気づいて傷ついたりしている人を、他のメンバーが支援=グループ外でも起こる。
=メンバーが自分の理解・支持・思いやりをうまく使う=人のために役立てる
13、基本的出会い
@日常生活よりもはるかに密接で直接的な関係を結ぶ=グループ経験の中核
@人の苦しみが身体を伝わってくるような痛みを覚える
=ブーバーのいう、われー汝の関係=グループで頻繁に起こる=参加者の眼に涙
@「否定的感情が徹底的に吐き出された時、2人の関係が成長して、否定的感情が相手に対する深い受容に変わる」
14、肯定的感情と親密さの表明
@非常に深い親密さと肯定的感情を持ち合うようになる=暖かさ、グループ意識、信頼
=肯定的だけではなく、肯定・否定の両感情を含む真実さから。
@我々がともに人間であることができる時、なんらかの肯定的展開が起こりうる確信
15、グループ内での行動の変化
@声の調子、技巧が少なく、自発的、感情がこもる。互いに援助