先週土曜日から3か月にわたるファシリテーター養成講座3日間コースが始まりました。

チーム経営研究所 博野 http://teamkeiei.com/


 参加者が定員の18名、スタッフが4名の22人で、大阪の産業創造館でスタートしました。

(1)講座のねらい

 「知恵とチカラをあわせる場づくり」をする人がファシリテーターであり、これを学ぶためには「いま、ここ」に集まったメンバー間で「学びのチーム」を作ることが必要であることが説明されました。

 そして今回の3日間のねらいとして「いま、ここに起こっている場に自らかかわることで、場づくりの楽しさと効果を体感する。→・実践したくなる自信 ・ためす勇気 ・元気を与えあう仲間」が示されました。

 一日目 ・かかわりの中で起きてくる「場」を感じる 
        ・「場」を促進する知識・スキルを知る
 二日目 ・「場」に効果的に働きかけるスキルを体験的に学ぶ        
 三日目 ファシリテーターのロールプレイを通じ  
       =ファシリテーターの役割について体験的に理解する
        →自分らしさが出せるファシリテートのやり方とは?

(2)互いに知り合う

 広瀬さんのファシリテートで、互いに知り合うワークをゆったりと行いました。私の4つの窓という手法で互いにプロフィールを交換し、今回の講座に臨む意図・理由などを考え、最後にみんなで輪になって自分の「ねらい」を分かち合いました


(3)場を感じる=グループプロセスの理解と体験学習

 知恵とチカラをあわせられるかどうかは「場=グループプロセス」のあり方で決まり、その場は分析可能であることを理解しました。そして3つのグループに分かれ、グループでの意思決定の実習の中で起きた
「場」をそれぞれが分析し、ふりかえることで、場を感じるスキルを身につけていきました。

(4)ファシリテーターの役割の説明

 ファシリテーションとは、上記のグループプロセスを知恵と力があうように促進する役割であり、そのために下記のような役割があることが説明されました。

<自由で守られた場の促進>
1、聞き役、まとめ役  中立的な立場で意見をよくきき、まとめ、支持
2、促し役          質問したり、発言していない人に発言を促す
3、保護者役       メンバーを守る
4、ムードメーカー役  雰囲気に働きかけ 楽しそうに、ユーモア
5、場の学びの促進役 場に気付き、規範を変える 
<目標に向かって真剣に話し合える場>
1、目標確認、役割分担役 目標を共有化し、役割分担を促す
2、進行役      「何を、どのように話すのか」提案
3、意思決定役     質の高い意思決定を目指す。合意形成ができる
4、タイムキーパー役 時間を管理する
5、記録役       場の議論の流れと結論がわかるように記録する

 ただ、これらを全部ファシリテーターがするのではなく、メンバーの持ち味を引き出し「場全体」としてこれらの機能が果たされるように「支える」のがファシリテーターであることが説明されました。
 
 ファシリテーターが何もかもしていると、メンバーの持ち味が出せません。それは場の促進を邪魔することになってしまうのです。これができるようになるためには、話し合いの中で、誰のどのような言動が、どのように場を動かしているかのグループ・ダイナミクスに気づく必要があります。


(5)場を感じる実習

 実際に会議の問題点を取り上げ、QC7つ道具の1つである「親和図」をグループで作成しました。このあと「誰のどのような言動が、どのように場を動かしているか」に着目し、グループの中のメンバーそれぞれが、互いに感じたことをフィードバックをしあうふりかえりを行いました。

 今回の研修は男女比、年齢構成、職業構成(一般企業の方、看護士さん、NPO職員など)がとてもバランスがよく、最初の緊張感がうそのように、笑いと熱気、時には激しい議論があるなど、熱意にあふれたものになっています。

 いつも思うのですが研修とは、参加メンバーが作るものなのですね。

 最後にメンバーの感想を少し記しておきます。

・自分の組織にたいする現状を分析するヒントや他のメンバーの意見が今までにないものであることも多く、考えの幅を広げる機会になります。
ファシリテーションの役割について心がけて会議に参加することによって会議運営の改善が可能と気づいた
・他職種の方とかかわれたこと、はじめての人との模擬会議でも、目的・目標を明確にすることで、それぞれ役割が分かれスムーズに進められることがわかった。
ファシリテーターの役割が、足りないところをおぎなうというのが目からウロコ。ふりかえりで自分がよく見えた。他の人をもっと見たいと思ったことが今日のよかった点
・楽しい研修でした
・実際に課題をもうけて、会議をして、どのようにしていけば場が盛り上がるかわかった
・意欲的に取り組んで、自分のできないところもわかった
・客観的に見ていろいろアドバイスをいただけた。
・なんか、思ってたよりおもしろかったです。なんか会議の原理を知ったような気がします。人に対して「フィードバック」をしてあげればよいんだと思いました。責めたり、ののしったりするのでなく。もちろん自分も含めて。
ファシリテーターは欠けている役割を補えというところが役立つと思う。ファシリテーター=進行役ではないのですね。
・初めての経験で新鮮でした。冷静に会議に臨むことで自分を見つめなおせた
・体験中心で身につけやすい。雰囲気が良い
・初回ですが積極的に参加できました。ファシリテーターの役割を再認識した。
・女性視線の再確認が必要
・知識としては持っていたものが、体験することで理解し、実践するための一歩となった
・わかりやすい内容とテンポでよかった。